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HISTORY歴史歴史の説明を掲載します。

日本陸上競技連盟史

2006年度

2006年度
平成18年4月~平成19年3月

世界クロカン女子団体で13年ぶりのメダル

 第34回世界クロスカントリー選手権福岡大会が4月1~2日、福岡市・海の中道海浜公園で行われた。アジアでは初の開催。女子ロング(8km)で福士加代子(ワコール)が6位に入賞。日本は上位4人の合計順位で争う団体で3位に入り、13年ぶりのメダルを獲得した。

世界クロスカントリー選手権福岡大会 女子団体 ©フォート・キシモト

女子棒高跳の錦織が4m36の日本新

 日本グランプリ・シリーズの春季サーキットが、12月にカタール・ドーハで開かれる第15回アジア競技大会の代表選手選考会を兼ねて、4戦行われた。

 4月29日に広島で開催された織田記念陸上の女子棒高跳では、錦織育子(三慶サービスAC)が4m36の日本新をクリア。近藤高代(長谷川体育施設)が2004年に作った4m35の日本記録を破った。2月19日に横浜インドアオープンで4m31の室内日本新をマークしている錦織は、屋外でも日本記録を樹立した。

女子走幅跳の池田が6m86の日本新

 ドーハ・アジア大会の代表選手選考会を兼ねた国際グランプリ陸上大阪大会が5月6日、来年の大阪世界選手権の舞台となる大阪市の長居陸上競技場で行われた。

 女子走幅跳では、3日前の静岡国際陸上で6m75(+1.8)の大会新記録をマークしている池田久美子(スズキ)が、6m86(+1.6)の日本新で優勝。花岡麻帆(Office24)が2001年に作った6m82の日本記録を5年ぶりに破って、2大会連続で大阪世界選手権の参加A標準記録(6m70)を突破した。

 女子1500mでは、17歳の小林祐梨子(須磨学園高・兵庫)が4分07秒87で2位。杉森美保(京セラ)が昨年春に作った4分09秒30の日本記録を大幅に更新した。自己の持つ高校記録は、約5秒も一気に短縮した。

池田久美子 ©フォート・キシモト

「陸上界を盛り上げたい!」選手側が日本陸連に提案書

 来年に迫った大阪世界選手権を前に、まず「今年の日本選手権でスタンドをいっぱいにしよう」と動き出したトップ選手たちが、3月末の沖縄合宿や4月からの日本グランプリ大会で選手ミーティングを開催。アンケートも実施して、その集計結果をまとめ、5月初めに日本陸連の澤木啓祐強化委員長へ提出した。澤木強化委員長は「サンプルはまだ少ないが、提案は最大限尊重していきたい」と、快く受諾した。

 また日本陸連は、虫垂癌と闘うアテネ五輪女子砲丸投代表の森千夏選手(東京高ク)を支援しようと、各大会などで募金活動を開始。選手たちも自身が出場する大会会場で募金箱を持ち、募金活動に加わった。しかし、陸上界全体の祈りも届かず、森選手は2006年8月9日、26歳の若さで永眠した。

日本選手権は49年ぶりの神戸開催
男子の走高跳と砲丸投で日本新

 ドーハ・アジア大会の代表選手選考会を兼ねた第90回日本選手権大会が7月2~4日、兵庫県神戸市のユニバー記念競技場で行われた。神戸市で日本選手権が開かれるのは、実に49年ぶり。最終日に日本新記録が2つ誕生した。

 男子走高跳の醍醐直幸(富士通)は、2m33をクリア。1993年に君野貴弘(順大)が作った2m32の日本記録を、13年ぶりに1cm更新した。男子砲丸投では、畑瀬聡(群馬綜合ガードシステム)が18m56。日大の先輩に当たる野口安忠が8年前に出した18m53を、3cm塗り替えた。

 この他、男子ハンマー投の室伏広治(ミズノ)は、2年ぶりの80m突破となる80m17を投げ、史上1位の連勝記録を「12」に伸ばした。松宮隆行(コニカミノルタ)は、日本人男子で17年ぶりの5000m、10000mの長距離2冠。醍醐と、女子走幅跳で6m75(+0.5)を跳び2連覇の池田久美子(スズキ)が、今大会の最優秀選手に選ばれた。

 日本陸連は大会翌日の7月3日に神戸市内のホテルで理事会を開き、12月のアジア大会代表、男女41人を決定。残り枠の13人は、9月に追加発表する。

17歳の小林が女子1500mでまたも日本新

 セイコースーパー陸上2006横浜が9月24日、横浜市の日産スタジアムで行われ、男女17種目が実施された。

 男子ハンマー投の室伏広治(ミズノ)は、ただ1人80m台に乗せる81m00で、今季負けなしの8戦全勝。女子1500mでは、2位に入った17歳の小林祐梨子(須磨学園高・兵庫)が、5月の大阪グランプリで自らが作った日本記録を100分の1秒更新する、4分07秒86をマークした。

ドーハ・アジア大会は金メダル5個

 第15回アジア大会は史上初めてアラビア半島で開催され、12月2~15日、カタールの首都・ドーハに各国の選手たちが集結した。陸上競技は12月7~12日の6日間、ドーハ・カリファスタジアムで行われ、日本は56人が出場した。

 前回の釜山大会に続いて中東勢の勢いがすさまじく、バーレーンは日本の5個を上回る金メダル6個。サウジアラビアも5、地元カタールは4個を獲得した。大会5連覇が懸かっていた男子ハンマー投の室伏広治(ミズノ)は、脚の故障で欠場した。

 男子200mの末續慎吾(ミズノ)は、20秒60(+0.7)で2連覇。女子走幅跳の池田久美子(スズキ)は、5回目に自己セカンドタイの6m81(+0.3)を跳んで、1970年のバンコク大会(山下博子)以来、日本勢36年ぶりの栄冠に輝いた。

末續慎吾 ©フォート・キシモト

 この他、女子10000mの福士加代子(ワコール)、男子棒高跳の澤野大地(ニシ・スポーツ)、男子400mハードルの成迫健児(筑波大)が金メダルを獲得。銀メダルは9、銅メダルは13個だった。

澤野大地 ©フォート・キシモト

澤野大地 ©フォート・キシモト

成迫健児 ©フォート・キシモト

女子20km競歩で渕瀬、川﨑が相次ぎ好記録

 第90回日本選手権女子20km競歩は2007年1月28日、神戸市の六甲アイランド周回コースで行われた。

 20歳の渕瀬真寿美(龍谷大)が、2年前のこの大会で川﨑真裕美(海老澤製作所)が作った日本記録を1分43秒更新する、1時間29分36秒の日本新で優勝。大阪世界選手権の参加A標準記録(1時間33分30秒)を突破し、「A標準突破で日本選手権優勝」の日本陸連が定めた選考基準をクリアして、女子では代表内定の第1号になった。2位の坂倉良子(登利平アスリートクラブ)が1時間30分16秒、3位の小西祥子(大阪茗友クラブ)も1時間31分17秒と、従来の日本記録を上回った。4連覇を狙った川﨑は4位。

 しかし、3月25日に第31回全日本競歩根上大会が石川県能美市で行われ、女子20kmで川﨑が1時間28分56秒をマークして日本記録を奪還。渕瀬が1月に出した記録を40秒更新して気を吐いた。

都市型市民レース「東京マラソン」がスタート

 日本陸連と東京都で準備を進めてきた、アジアで最大級の都市型市民レース「東京マラソン」が2月18日、東京・新宿にある都庁前から臨海副都心の東京ビッグサイトまでの片道コースで行われた。あいにくの雨の中、3万人が都心を熱走。

東京マラソン ©フォート・キシモト

 男子は大阪世界選手権の選考レースを兼ねており、佐藤智之(旭化成)が2時間11分22秒で日本選手トップの2位。歴史に残る初代チャンピオンには、ケニア出身のダニエル・ジェンガ(ヤクルト)が2時間9分45秒で就いた。五輪の女子マラソンで2つのメダルを獲得している有森裕子(リクルートAC)は、このレースがラストラン。12回目のマラソンは、2時間52分45秒で5位だった。スターターを石原慎太郎都知事が務め、河野洋平日本陸連会長と並んで歴史的な一歩を見届けた。


記事提供:月刊陸上競技