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HISTORY歴史歴史の説明を掲載します。

日本陸上競技連盟史

2005年度

2005年度
平成17年4月~平成18年3月


杉森がシーズン開幕戦で日本新


 シーズン開幕戦となる金栗記念選抜中長距離熊本大会が4月9日、熊本市の県民総合運動公園競技場で行われた。アテネ五輪女子800m代表の杉森美保(京セラ)が、一般女子1500mに出場。2002年に田村育子(グローバリー)が出した4分10秒39を破る4分09秒30の日本新記録で優勝し、ヘルシンキ世界選手権の参加B標準記録(4分08秒20)に迫った。

男子棒高跳の澤野、5m83のビッグな日本新

 日本グランプリシリーズ第4戦の第21回静岡国際が5月3日、静岡市の草薙陸上競技場で行われた。男子棒高跳の澤野大地(ニシ・スポーツ)が、自身の持つ日本記録を3cm上回る5m83を見事にクリア。昨年の世界ランク6位に相当するビッグな日本新で、5m75の大会記録を6年ぶりに破った。その後、自身2度目の挑戦となる5m90にバーを上げたが、失敗に終わった。

早狩が32歳で3000m障害に初挑戦

 第10回カージナル招待競技会が5月1日、米国・カリフォルニア州パロアルトのスタンフォード大学で行われ、32歳の早狩実紀(京都光華AC)が、ヘルシンキ世界選手権で新種目として採用される女子3000m障害に初挑戦。10分02秒86の日本新記録をマークした。

19歳の丹野が400mで日本人初の51秒台

 ヘルシンキ世界選手権などの代表選手選考会を兼ねた第89回日本選手権が6月2~5日、東京・国立競技場で行われた。

 女子400mでは、19歳の丹野麻美(福島大)が、自身の持つ日本記録を一気に0秒95更新する51秒93で圧勝。日本女子初の51秒台に突入し、ヘルシンキ世界選手権の参加B標準記録(52秒30)を突破した。女子800mは、杉森美保(京セラ)が2分00秒45で2連覇。昨年のこの大会で自身が出した日本記録を100分の1秒更新した。

 また、2人の高校生チャンピオンが誕生。男子400mで金丸祐三(大阪高)がこの種目8年ぶり、女子1500mでは小林祐梨子(須磨学園高・兵庫)が18年ぶりの快挙となった。金丸は予選で、45秒69の高校新をマークした。

 この他、女子走幅跳では池田久美子(スズキ)と花岡麻帆(Office24)が死闘を尽くして、二転三転の攻防。トップ記録、セカンド記録がタイとなり、最後はサード記録の3cm差で池田に軍配が上がった。

 今大会の最優秀選手には金丸と丹野が選出され、五輪翌年で若い力が台頭した。大会翌日の6月6日に日本陸連は都内で理事会・評議員会を開き、3月に発表済みの男女マラソン10人に続き、39人を第2次選考で代表に選んだ。今大会を故障で欠場した男子短距離の末續慎吾(ミズノ)と、男子棒高跳で記録なしに終わった澤野大地(ニシ・スポーツ)は、ここで代表に決まらず保留。男子400mの金丸は17歳で、史上最年少の代表になった。7月10日の南部記念が最終選考競技会になる。

福士が女子5000mで日本記録を更新

 国際陸連のゴールデンリーグ(GL)第2戦の「ゴールデンガラ」が7月8日、イタリア・ローマで開催された。女子5000mに出場した福士加代子(ワコール)が、14分53秒22の日本新記録をマーク。自身が2002年の釜山アジア大会で出した14分55秒19を更新した。

ヘルシンキ世界選手権 男子400mHの為末が2つ目の銅メダル

 第10回世界選手権は8月6~14日、第1回大会に続いてフィンランドの首都・ヘルシンキで22年ぶりに開催された。

 日本はアテネ五輪の男子ハンマー投金メダリスト・室伏広治(ミズノ)が、体調不良で欠場した。しかし、男子400mハードルの為末大(APF・TC)が気を吐き、48秒10の今季ベストで3位。2001年のエドモントン大会に続いて、自身2つ目の銅メダルを獲得した。日本選手が世界選手権で複数のメダルを取ったのは、室伏広治(男子ハンマー投)、千葉真子(女子10000m、マラソン)に続いて3人目。

 準決勝はプラス通過で、8番目の決勝進出者となった為末。中1日置いた8月9日の決勝は午後9時25分が当初のスタート時刻だったが、ヘルシンキは激しい雷雨になり、競技が2時間半中断。延期になった種目もある中、男子400mハードル決勝は「午後9時50分」と新たな時間が発表された。

為末大 ©フォート・キシモト

 まだ、激しく雨が降る中、レースはスタート。7レーンの為末はアウトで飛ばし、8台目までトップ。悪天候を逆手にとって、48秒10で3位に食い込んだ。プロ宣言をして2年。為末は「周囲の目線が(エドモントンの)銅メダルに向けられて、すごく息苦しいことがありましたけど、去年ぐらいから受け入れることができて、今年は楽しんで取り組むことができました。同じ銅メダルでも、今回の方が重たい感じがします」と、感極まった表情で話した。

男子マラソンでは尾方剛が銅メダル

 ヘルシンキ世界選手権の日本勢は、銅メダルが2つ。男子マラソンでは、前回のパリ大会で12位だった32歳の尾方剛(中国電力)が、2時間11分16秒で3位に入った。マラソンで初めて世界大会の代表になった高岡寿成(カネボウ)が4位。団体戦では、日本が2連覇を果たした。

尾方剛 ©フォート・キシモト

男子マラソン ©フォート・キシモト

 女子マラソンは2人が入賞。原裕美子(京セラ)が2時間24分20秒で6位、弘山晴美(資生堂)が8位に入った。団体戦は5連覇ならずの銀メダル。個人でも1995年のイエテボリ大会以来、5大会ぶりにメダルに届かなかったが、連続入賞を確保した。

 男子棒高跳の澤野大地(ニシ・スポーツ)は、5m50で8位入賞。世界選手権では日本勢初の入賞となった。オリンピックを含めると、1952年のヘルシンキ大会以来53年ぶり。

 男子50km競歩では、山崎勇喜(順大)が自己ベスト(3時間50分39秒)に迫る3時間51分15秒で8位に入った。男子4×100mリレーも、38秒77で8位。3~4走のバトンパスで失敗し、目標のメダルには届かなかったが、入賞常連としての地位を固めつつある。

 女子3000m障害の早狩実紀(京都光華AC)は、予選で9分41秒21のアジア記録を樹立して決勝へ進出。決勝では記録を伸ばせなかったが、9分48秒97で12位と健闘した。

 ヘルシンキ世界選手権が幕を閉じておよそ1ヵ月後の9月19日には、セイコースーパー陸上2005横浜が、ヘルシンキで脚光を浴びた金メダリスト8人を横浜市の日産スタジアム(横浜国際総合競技場)に迎えて華やかに開催された。

 女子400mでは、丹野麻美(福島大)が4位ながら51秒80と、今季2度目の日本新。男子400mでは、金丸祐三(大阪高)が45秒47の高校新記録で優勝した。また、女子1500mでは小林祐梨子(須磨学園高・兵庫)がジュニア日本記録を13年ぶりに更新する4分12秒85で4位に入り、ここでも若い力が躍動した。

ベルリン・マラソンで野口みずきが日本新

 第32回ベルリン・マラソンは9月25日に行われ、野口みずき(グローバリー)が2位に8分22秒の大差をつける2時間19分12秒で圧勝。アテネ五輪後、初めてのフルマラソンで、日本新・アジア新(世界歴代3位)を達成した。渋井陽子(三井住友海上)が昨年のこの大会で出した2時間19分41秒の日本記録(大会記録)を更新。日本女子は、ベルリン・マラソンで6連勝となった。

「日本選手権は日本人選手のみで」日本陸連理事会

 日本陸連は12月12日に理事会を開き、平成18年度(2006年度)の競技会日程などを決めた。また、日本選手権は2006年から、日本人選手のみで競う大会とした。

 これまで外国人選手はオープンでの参加が認められていたものの、ここ数年の男子長距離種目はアフリカ勢がケタ違いの強さで上位を独占。その後塵を拝して日本チャンピオンになっても、素直に喜べない状況が続いており、「せめて日本選手権ぐらいは日本人だけで」という関係者の意向が受け入れられた。

福士が初ハーフで日本新・アジア新

 第60回香川丸亀ハーフマラソンが2006年2月5日、香川県丸亀市の県立丸亀競技場を発着点とするコースで行われた。ハーフ初挑戦の福士加代子(ワコール)が、1時間7分26秒の日本新・アジア新で優勝。野口みずき(シスメックス)は、自身が5年前に作った従来の日本記録(1時間8分23秒)を上回る1時間7分43秒の自己新で2位に入った。

福士加代子 ©フォート・キシモト

男女跳躍種目で室内日本新

 今回で3回目となる「2006横浜インドアオープン競技会」が2月19日、横浜市の横浜アリーナで行われた。男子走高跳の醍醐直幸(東京陸協)が2m28をクリアし、室内日本記録を3cm更新。屋外の自己記録(2m27)も上回った。女子棒高跳では、錦織育子(三慶サービス)が4m31の室内日本新。小野真澄(ミキハウス)が2002年3月の日中対抗室内で出した4m30を、1cm上回った。

記事提供:月刊陸上競技