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日本陸上競技連盟史

2007年度

2007年度
平成19年4月~平成20年3月

女子円盤投で室伏由佳が日本記録を更新

 愛知県豊田市の中京大グラウンドで梅村記録会が4月1日に行われ、女子円盤投で室伏由佳(ミズノ)が58m00の日本新。自身が1999年4月にこの記録会で出した56m74を、8年ぶりに更新した。室伏はここ2年、腰の故障に悩まされてきたが、昨年12月のアジア大会以降その痛みが出ず、冬季に十分な練習ができたという。

 さらに5月13日、岐阜・長良川競技場で行われた中部実業団対抗陸上で、室伏は58m62まで記録を伸ばし、夏に開かれる大阪世界選手権の参加B標準記録(59m00)に肉薄した。

女子400mHで久保倉が先輩・吉田の記録を破る日本新

 大阪世界選手権の代表選手選考会を兼ねて、日本グランプリ・シリーズの春季サーキットが各地で開催された。

 第23回静岡国際は4月30日、静岡市の草薙総合運動公園陸上競技場で行われ、女子400mハードルでは、昨年のドーハ・アジア大会銀メダルの久保倉里美(新潟アルビレックスRC)が55秒71の日本新をマーク。福島大の先輩である吉田真希子(ナチュリル/当時・FSGカレッジリーグ)が2003年に作った55秒89の日本記録を4年ぶりに破った。

 また、5月5日には国際グランプリ陸上大阪大会が大阪・長居陸上競技場で開かれ、久保倉、吉田を3、4走に置いた女子4×400mリレーで、3分30秒53の日本新記録が誕生した。従来の記録を一気に2秒53も更新する、6年ぶりの快挙。1走が木田真有(ナチュリル)、2走が丹野麻美(福島大)で、4人とも福島大の現役・OGで組んだオーダーだった。

本番の舞台で日本選手権、日本新はゼロ

 第91回日本選手権は6月29日から7月1日までの3日間、世界選手権の舞台となる大阪・長居陸上競技場で、代表選手選考会として行われた。

 日本新記録はゼロに終わったが、男子200mで末續慎吾(ミズノ)が自己2番目の記録となる20秒20(+1.2)で優勝するなど、本番での活躍が楽しみになる種目も見られた。今季初戦となる男子ハンマー投の室伏広治(ミズノ)は、79m24で13連覇。父・重信さんの優勝回数「12」を超えた。

末續慎吾 ©フォート・キシモト

 また、福士加代子(ワコール)は、4年連続で女子長距離2冠。10000mは6連覇となった。男子長距離の松宮隆行(コニカミノルタ)は、2年連続で5000m、10000mの2冠。今大会の最優秀選手には、末續と福士が選出された。

福士加代子 ©フォート・キシモト

松宮隆行 ©フォート・キシモト

 7月2日には大阪市内のホテルで日本陸連の理事会が開かれ、すでに発表になっているマラソンを含め、男子40人、女子32人の計72人の世界選手権代表を決めた。開催国枠を使って全種目にエントリー。その後、リレーメンバーなどが追加されて総勢は81名に。これは、世界選手権では過去最多だった1991年東京大会の63人を上回る。髙野進強化委員長は「メダル5個と全員自己新」を大阪世界選手権の目標に掲げた。

男女長距離種目で好記録

 第28回ナイト・オブ・アスレチックスが7月28日、ベルギー北部のヒューズデン・ゾルダーで行われ、日本勢も出場した。

女子3000m障害では、34歳の早狩実紀(京都光華AC)が健闘。自身の持つ日本記録(9分41秒21)を2年ぶりに更新する9分38秒68で、8位に入った。男子5000mでは、松宮隆行(コニカミノルタ)が13分13秒20の日本新で5位。高岡寿成(カネボウ)が1998年のこの大会で出した日本記録を、9年ぶりに0秒20更新した。松宮はこの記録でA標準(13分21秒50)を破ったため、世界選手権代表に追加された。

 松宮と同じAレースで走った竹澤健介(早大)も、11位ながら、自己記録を3秒66上回る13分19秒00の日本歴代4位。1992年に高岡(龍谷大)が樹立した日本学生記録(13分20秒43)を、15年ぶりに塗り替えた。

大阪世界選手権、16年ぶりに日本で開催
最終日にやっとメダル1

 第11回世界選手権大阪大会は8月25日から9月2日までの9日間、大阪市の長居陸上競技場で開かれた。日本での開催は、1991年の東京大会以来16年ぶり。国立競技場と同じように、大阪でも観衆でスタンドをいっぱいにしようとトップ選手たちが大会の盛り上げに一役買った。有力選手たちの苦戦が目立つ中でも、日本はメダル1、入賞6の結果を残した。

 初日の男子マラソンは尾方剛(中国電力)が5位(2時間17分42秒)、大崎悟史(NTT西日本)が6位、諏訪利成(日清食品)が7位と3人が入賞し、団体戦でも3連覇。幸先良いスタートを切ったかに見えたが、金メダルが期待された男子ハンマー投の室伏広治(ミズノ)も、今季自己最高の80m46を投げながら6位にとどまった。

 日本勢が盛り返したのは終盤。塚原直貴(東海大)、末續慎吾(ミズノ)、髙平慎士(富士通)、朝原宣治(大阪ガス)とつないだ男子4×100mリレーは、予選で38秒21、決勝では38秒03とアジア新記録を連発して5位入賞。オリンピックと世界選手権を合わせ、6大会連続で入賞した。

 そして、最終日の女子マラソンで土佐礼子(三井住友海上)が持ち前の粘りを発揮し、2時間30分55秒で3位。日本に唯一のメダルをもたらした。土佐は2001年のエドモントン大会銀メダルに続いて、2つ目のメダル獲得。来年の北京五輪代表の座も手にした。嶋原清子(セカンドウィンドAC)が6位に入り、女子団体戦は3位だった。

土佐礼子 ©フォート・キシモト

女子10000m競歩で小西が日本新

 第62回国民体育大会(秋田わか杉国体)の陸上競技は10月5~9日、秋田市の秋田県営競技場で行われた。4日目の成年女子10000m競歩で、豪雨の中、小西祥子(大阪・大阪茗友クラブ)が44分29秒56の日本新をマーク。1998年に三森理恵(ヤマハ発動機)が作った日本記録を、9年ぶりに0秒26塗り替えた。

佐藤敦之がハーフマラソンでアジア新

 国際陸連主催の第2回世界ロードランニング選手権(旧・世界ハーフマラソン選手権)が10月14日、イタリア・ウディネのハーフマラソンコースで行われた。

 男子の部では、佐藤敦之(中国電力)が1時間0分25秒のアジア新・日本新を出して9位。高橋健一(富士通)が東京でマークした1時間0分30秒を、7年ぶりに5秒短縮した。女子はローナ・キプラガト(オランダ)が、1時間6分25秒の世界新で圧勝した。

日本陸連が「強化指定競技者研修会」開く

 横浜市内のホテルで11月5日、日本陸連が「強化指定競技者研修会」を開いた。大阪世界選手権に出場した選手ら51人が参加。力を発揮できずに終わった選手が多かった世界選手権の反省を踏まえ、来年に迫った北京五輪をどう戦うか。丸一日を座学に費やして、知識や意見を共有した。

 挨拶に立った澤木啓祐専務理事は「なぜ、このような研修会を行うのか」と競技者に問いかけ、「自分たちの置かれている立場を理解してもらわないといけない」と強調した。続いて、髙野進強化委員長が「北京五輪に向けた強化方針」を説明した。

「アスレティック・アワード」を設立

 日本陸連にとって2007年は、第1回東京マラソンの開催、日本で16年ぶりの開催となった大阪世界選手権など、節目の年になった。その締めくくりとして日本陸連が新設したのが「アスレティック・アワード」。日本陸連理事、メディア、スポンサーなどの代表が、投票によって年間最優秀選手である「アスリート・オブ・ザ・イヤー」や優秀選手を選定、表彰しようというもの。

 12月26日に都内のホテルで「アスレティック・アワード2007」のレセプションを開き、大阪世界選手権女子マラソン銅メダルの土佐礼子(三井住友海上)を、初代「アスリート・オブ・ザ・イヤー」として表彰した。

アスレティック・アワード ©フォート・キシモト

 日本陸連の河野洋平会長は「陸上界で権威のある日本選手権優勝者を称えるとともに、スポンサーや先輩方、メディアのみなさんに感謝申し上げたい」と挨拶。「北京五輪を翌年に控えた重要な1年の締めくくりに、どうしても(このアワードを)開きたかった」と話した。


記事提供:月刊陸上競技