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日本陸上競技連盟史

1999年度

1999年度
平成11年4月~平成12年3月


女子円盤投で12年ぶりの日本新


 シーズンイン早々の4月10日、愛知県豊田市の中京大グラウンドで行われた1999年度中京大第1回土曜記録会女子円盤投で、室伏由佳(ミズノ)が5回目に56m29をマーク。1987年に北森郁子(添上高教)が作った56m08の日本記録を、12年ぶりに破った。室伏は6回目に、さらに記録を伸ばして56m84。2度続けての日本新スローだった。昨年秋の神奈川国体で優勝した時に出した54m90が室伏のこれまでのベストで、これを一気に2m近く更新したことになる。

 また、春季サーキット第2戦の第47回兵庫リレーカーニバルが神戸市のユニバー記念競技場で行われ、女子100mで新井初佳(ピップフジモト)が11秒45(+1.6)をマーク。北田敏恵(大体大T&F)が1996年の日本選手権準決勝で出した11秒48を地元大会で破り、200mと合わせ短距離2種目で日本記録保持者になった。

男子400mHで山崎が日本記録を奪還

 国際グランプリ・シリーズ第2戦大阪大会は5月8日、大阪市の長居陸上競技場で行われた。5月3日の第15回静岡国際(春季サーキット第4戦)で日本人トップの48秒96をマークしていた男子400mハードルの山崎一彦(デサントTC)が、48秒26の日本新。1995年のイエテボリ世界選手権で7位入賞した時に出した48秒37を、97年秋に苅部俊二(富士通)に0秒03破られていたが、1年半後に奪還し、再び「日本記録保持者」の座に就いた。

 また、同大会のサブイベントとして行われた女子4×100mリレーでは、岩本敏恵(大体大T&F)、新井初佳(ピップフジモト)、坂上香織(ミキハウス)、金沢イボンヌ(佐田建設TC)のオーダーを組んだ日本選抜チームが44秒12の日本新。2年前のこの大会で出した44秒41を大幅に更新した。しかし、セビリア世界選手権に向けて日本陸連が独自に設けた派遣標準記録の44秒10には、100分の2秒届かず。

関係者の尽力で急きょオープン出場が決まった5月22日の第43回関西実業団対抗選手権では、「何としても記録を突破してセビリアへ」と同じオーダーで臨んだが、44秒11。今度は0.01秒及ばなかった。

 5月22日には浜松市の四ッ池公園競技場で第2回静岡県西部月例記録会が行われ、女子棒高跳の小野真澄(ミキハウス)が4m20の日本新をクリアした。これで小野の日本記録更新は、室内を合わせて11回目。3月の世界室内(前橋)で跳んだ4m20を、屋外でも成功させた。

 男子棒高跳では、6月12~13日に岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われた第47回全日本実業団対抗選手権で、小林史明(ミキハウス)が自身の記録を1cm更新する5m62の日本新で優勝した。

 小林の日本記録を、8月28日の第47回四国選手権(香川県丸亀市・県立丸亀競技場)で1cm更新したのが、横山学(三観陸協)。来年のシドニー五輪の参加A標準記録を突破した。

セビリア世界選手権の日本代表を発表

 日本陸連は6月25日に理事会を開き、終了後に、今夏スペイン・セビリアで開かれる第7回世界選手権の日本代表46人(男子27、女子19)を発表した。

 男子短距離の伊東浩司(富士通)、同走幅跳の森長正樹(ゴールドウイン)、同ハンマー投の室伏広治(ミズノ)ら本番での活躍が期待される選手がそろい、伊東と男子400mハードルの苅部俊二(富士通)、同50km競歩の今村文男(同)の3人は5大会連続の出場。男子短距離で伊東と二枚看板を張るはずだった朝原宣治(大阪ガス)は、左足内くるぶしの疲労骨折が判明して代表を辞退した。これによって男子4×100mリレーは派遣せず、エースの伊東を4×400mリレーで起用することとした。

 男子1500mの佐藤清治(佐久長聖高・長野)と、女子5000mの藤永佳子(諫早高・長崎)の2人が、高校生として3大会ぶりに選ばれた。佐藤は5月22日のゴールデンゲームズinのべおか(宮崎・延岡/西階)で、日本記録にあと0秒25と迫る3分38秒49の日本歴代2位をマークしている。派遣標準記録にわずかに届かなかった女子4×100mリレーも、今後への期待を込めて2大会連続での派遣を決めた。

セビリア世界選手権は男女マラソンでメダル
佐藤信之が銅、市橋有里は銀

 第7回世界選手権大会はスペイン南西部の街、アンダルシア州の州都・セビリアで8月20日に開幕。21日から29日までの9日間、男女46種目で熱戦を展開した。男子400mで、マイケル・ジョンソン(米国)が43秒18の世界新で4連覇した大会。日本はメダル2、入賞7。男女マラソンと女子長距離で結果を残した。

マイケル・ジョンソン ©フォート・キシモト

 女子マラソンは最終日の8月29日に午前9時05分スタートで行われたが、男子はその前日、午後6時45分スタート。地元のアベル・アントン(スペイン)が2連覇して、大会を盛り上げた。日本勢は佐藤信之(旭化成)が2時間14分07秒で3位、藤田敦史(富士通)が2時間15分45秒で6位、清水康次(NTT西日本)が2時間15分5秒で7位と3人が入賞したものの、団体戦ではイタリアに26秒及ばず、銀メダルだった。気温が32度まで上昇し、スローペースになったレースで、佐藤は25kmで単独2位に上がると、27km付近でトップに立ち、10km余に渡って独走する場面もあった。

 女子マラソンは気温24度で、曇り空。男子より気象コンディションに恵まれた。昨年のバンコク・アジア大会で金メダルを取り、今大会でも好成績が期待された高橋尚子(積水化学)は、3週間前に合宿地の米国コロラド州ボルダーで左脚の腸脛靱帯を損傷し、レース当日の朝に故障欠場を発表した。

 レースは、終盤でチョン・ソンオク(北朝鮮)と市橋有里(住友VISA)の一騎打ちに。21歳の市橋がトラック勝負を意識した矢先、残り1kmでチョンがスパートをかけ、フィニッシュ地点ではチョンに遅れること3秒。「気を緩めたスキにやられた」と市橋は言うが、2時間27分02秒の自己ベストで銀メダルを取り、笑みも浮かんだ。「悔しさもありましたけど、自己新でメダルが取れて、自然と口元が緩んでしまいました」。小幡佳代子(営団地下鉄)が2時間29分11秒で8位に入賞し、浅利純子(ダイハツ)が16位。日本女子は団体戦で2連覇を果たした。

 また、大会6日目(8月26日)の午後9時から一発決勝で行われた女子10000mでは、4位(31分26秒84)に弘山晴美(資生堂)、5位(31分27秒62)に高橋千恵美(日本ケミコン)と、2人が入賞した。

 8月15日の富山カップで8年ぶりの日本新となる13秒55(+0.6)をマークしてから渡欧した男子110mハードルの谷川聡(ミズノ)は、二次予選で13秒58(-0.4)と自身2度目の13秒5台。6着で準決勝進出は逃したものの、手応えを得ていた。

犬伏孝行が日本人初の2時間6分台

 第26回ベルリン・マラソンは9月26日にドイツの当地で行われた。男子の部で、27歳の犬伏孝行(大塚製薬)が日本人初の2時間6分台となる2時間6分57秒で2位に入る大健闘。児玉泰介(旭化成)が1986年10月の北京マラソンで作った2時間7分35秒の日本最高記録を大幅に破る、世界歴代6位の好記録。これが6度目のマラソンの犬伏は、2月の東京国際マラソンで出した2時間12分20秒の自己ベストを、一気に5分23秒も短縮した。

 また、10月3日にイタリア・シシリー島のパレルモで行われた第8回世界ハーフマラソン選手権では、野口みずき(グローバリー)が1時間9分12秒で銀メダルを獲得。中盤まで先頭を引っ張る積極的な走りを見せた。女子の優勝はテグラ・ロルーペ(ケニア)。1時間8分48秒で3連覇を飾った。

女子三段跳で花岡が日本人初の14m台

 シドニー五輪の代表選手選考会を兼ねた第83回日本選手権は10月1~3日、静岡市の草薙総合運動公園競技場で開催された。

 女子三段跳で、花岡麻帆(三英社)が日本人初の14m台となる14m04(+1.1)の日本新で優勝。シドニー五輪の参加A標準記録にあと11cmと迫った。2年連続で女子100m、200mのスプリント2冠を達成した新井初佳(ピップフジモト)は、200mで23秒22の大記録をマークしたが、惜しくも追い風2.2mで参考記録に。大会は晴天に恵まれたものの風が強く、トラック種目は追い風参考記録が多かった。

 日本選手権から3週間後、第54回国民体育大会「くまもと未来国体」が10月23日に開幕。陸上競技は10月24日から28日まで、熊本市の熊本県民総合運動公園競技場で行われ、2つの日本新が誕生した。

 ともに成年種目で、男子ハンマー投の室伏広治(ミズノ)が5回目に79m17を投げ、昨年12月のバンコク・アジア大会でマークした78m57を60cm更新。女子200mでは、新井初佳(ピップフジモト)が23秒46(+0.2)。やはりアジア大会で自身が出した23秒54を、100分の8秒更新した。

シドニー五輪の「第1次選考競技者」8人を内定

 日本陸連は11月18日、東京・国立競技場内の会議室で理事会・評議員会を開き、来年開かれるシドニー五輪の「第1次選考競技者」8人を内定、発表した。セビリア世界選手権の男女マラソン・メダリストや男子短距離の伊東浩司(富士通)らで、シドニー五輪強化特別委員会の櫻井孝次委員長は、この時期に内定した理由を「オリンピックへの準備を万端怠りなく整えてもらうように」と説明した。

女子マラソンで国内最高記録

 第83回日本選手権を兼ねた東京国際女子マラソンは11月21日、国立競技場を発着点とし、大森海岸交番前を折り返すコースで行われた。21回目となるこの大会は、山口衛里(天満屋)が15kmあたりで千葉真子(旭化成)を振り切って、ぶっちぎりの優勝。ファツマ・ロバ(エチオピア)、ワレンティナ・エゴロワ(ロシア)の五輪金メダリスト2人を抑えての快走だった。記録は2時間22分12秒の大会新で、日本最高記録にあと25秒と迫る日本歴代2位。高橋尚子(積水化学)の持つ2時間21分47秒はタイのバンコクで出された記録なので、これが国内でマークされた最高記録となる。

 年が明け、2020年1月10日に東京臨海副都心のテレコムセンター前発着で行われた東京ハーフマラソンでは、男子総合の部で高橋健一(富士通)が1時間0分30秒の日本最高記録で優勝した。
 1月30日に、神戸市の六甲アイランド内周回公認コース(1周2km)で行われた第83回日本選手権20km競歩。男子は柳澤哲(綜合警備保障)が1時間19分29秒の日本最高で、4年ぶり4回目の優勝を飾った。13秒差で2位の池島大介(長谷川体育施設)も、自らが保持していた1時間19分50秒の日本最高記録を8秒短縮した。

日中対抗室内横浜大会、4種目で室内日本新

 2000日中対抗室内陸上第3戦の横浜大会は2月26日、横浜市の横浜アリーナで行われ、4種目で室内日本新が誕生した。

 女子棒高跳の小野真澄(ミキハウス)は、自らの持つ記録を1cm上回る4m21に成功。男子棒高跳の横山学(三観陸協)は、5m60のシドニー五輪参加A標準記録をクリア。1982年に高橋卓巳(香川陸協)が作った5m51の室内日本記録を、18年ぶりに書き替えた。女子4×400mリレーは、日本代表チームが2位ながら3分40秒39の室内日本新。オープン出場した女子200mの新井初佳(ピップフジモト)は、柿沼和恵(ミズノ)が1998年のこの大会で出した24秒15を破る24秒11の室内日本新をマークした。

記事提供:月刊陸上競技