日本陸上競技連盟史
2001年度
2001年度
平成13年4月~平成14年3月
シーズンイン早々、日本新が次々と
男子ハンマー投の室伏広治(ミズノ)がシーズン初戦となった4月1日の梅村学園記録会(愛知県豊田市・中京大梅村陸上競技場)で、82m23の日本新。自身が昨年9月のスーパー陸上で投げた81m08を、一気に1m15更新した。また、4月7日に同競技場で行われた土曜記録会では、さらに37cm上回る82m60を投げた。
春季サーキット最終戦の「2021水戸国際陸上」は5月6日、茨城県水戸市の市立競技場で行われ、女子やり投で三宅貴子(ミキハウス)が5投目に57m86をマーク。1999年に小島裕子(三英社)が作った57m79の日本記録を更新した。さらに6投目には61m15を投げ、エドモントン世界選手権の参加A標準記録(60m30)を突破。旧規格のやりの日本記録・60m52も上回った。
5月4日に米国カリフォルニア州スタンフォード大学で行われたカーディナル招待競技会の男子10000mでは、高岡寿成(カネボウ)が27分35秒09の日本新で6位。1987年に中山竹通(ダイエー)が作った27分35秒33の日本記録を、14年ぶりに書き替えた。高岡は前年のシドニー五輪で7位に入賞しており、その時に「あとは日本記録を狙うだけ」と話していた。それを達成し、「これで悔いなくマラソンに入っていけます」と高岡。
5月12日に大阪市の長居陸上競技場で行われた国際グランプリ大阪大会では、女子800mの西村美樹(東京学芸大)が2分02秒23の日本新。1995年に岡本久美子(筑波大)が出した2分03秒45の日本記録を、一気に1秒22短縮した。
東アジア大会が大阪で開かれる
国際グランプリに続いて、大阪・長居陸上競技場では第3回東アジア競技大会が開かれた。陸上競技は5月23日から4日間の日程。日本は4年前の釜山大会を17人上回る78人の大選手団を編成した。ただ、金メダルは11と、前回の16を下回った。
日本新は女子3種目で誕生。400mでは、3位の柿沼和恵(ミズノ)が日本人初の52秒台となる52秒95。400mハードルの吉田真希子(福島大TC)は4位ながら57秒33と、日本記録を100分の1秒短縮した。この2人を2走、4走に配した4×400mリレーは2位。大会新となる3分33秒06は、6年ぶりの日本新記録で、日本陸連が設定したエドモントン世界選手権派遣標準記録の3分34秒00をクリアした。1走は杉森美保(京セラ)、3走は信岡沙希重(ミズノ)が務めている。
日本選手権女子走幅跳で歴史に残る名勝負
エドモントン世界選手権の最終選考会となる第85回日本選手権大会は6月8~10日、4年ぶりに東京・国立競技場で行われた。
女子走幅跳は、花岡麻帆(Office24)と池田久美子(福島大)がハイレベルのシーソーゲームを展開。優勝した花岡が6m82(+1.6)、2位の池田が6m78(+0.8)と4cm差で決着がついたが、2人とも花岡の持つ6m61の日本記録と、6m75の世界選手権参加A標準記録をクリア。そろってエドモントン行きを決めた。
女子ハンマー投の綾真澄(中京大)は、鈴木文(チチヤス乳業)の7連覇を阻んで、5投目に62m13の日本新。62m00の世界選手権参加B標準記録を破って、代表入りした。同砲丸投では、森千夏(国士大)が16m84の日本新で初優勝。昨年の日本選手権で豊永陽子(徳島健祥会)が作った16m46の日本記録を破った。女子七種競技では、佐藤さよ子(日立製作所土浦)が5713点の日本新。中田有紀(東海デカスロンチーム)が昨年6月に出した記録を71点更新した。
日本陸連は日本選手権終了の翌日、エドモントン世界選手権の代表を発表。男女52人のうち初出場が38人と、オリンピックの翌年で新旧交代期となった。
第17回日本ジュニア選手権は6月30日~7月1日に長野県の松本平広域公園競技場で行われ、初日の男子200mで19歳の大前祐介(早大)が20秒29(+0.8)のジュニア日本新記録(日本歴代3位)を樹立した。
7月14~15日には中国・北京で開催されるユニバーシアードの代表選手選考会となる第12回日本学生種目別選手権が岩手県北上市の北上総合公園競技場で行われ、女子100mで二瓶秀子(福島大院)が11秒36(+1.8)。坂上香織(ミキハウス)が持つ11秒42の日本記録を塗り替える、日本女子初の11秒3台だった。女子400mハードルでは同じ福島大出身の吉田真希子(福島大TC)が56秒83と、自らが持つ日本記録を0秒50更新した。
エドモントン世界選手権で過去最高の躍進
男子投てきとトラックで世界大会初のメダル獲得
第8回世界選手権エドモントン大会はカナダ・アルバータ州の州都で8月3日に開幕し、8月12日まで熱戦を展開した。
男子ハンマー投では、室伏広治(ミズノ)がシドニー五輪金メダルのシモン・ジョルコフスキ(ポーランド)と二転三転の攻防を繰り返した末、相手に逆転優勝を許したが、5投目に82m92を投げて銀メダルを獲得。五輪、世界選手権を通じて日本の投てき界に初のメダルをもたらした。シドニー五輪でベスト8に残れなかった室伏は「精一杯やりました。1投、1投、ベストを尽くすだけと思って投げました」と話し、試合が終わるとジョルコフスキと健闘を称え合った。
最終日の女子マラソンでは、土佐礼子が2時間26分06秒で2位、渋井陽子が4位と、三井海上コンビがダブル入賞。ワールドカップ団体戦で、日本は3大会続けての金メダルに輝いた。優勝はシドニー五輪で高橋尚子(積水化学)に敗れたリディア・シモン(ルーマニア)で、2時間26分01秒。男子マラソンも油谷繁(中国電力)が2時間14分07秒で5位、森下由輝(旭化成)が8位と2人が入賞し、団体戦で銀メダルを獲得した。
8月10日に決勝が行われた男子400mハードルでは、23歳の為末大(法大)が日本人初の47秒台となる47秒89で見事に銅メダルを獲得。準決勝でまず48秒10の日本新を出し、決勝の快挙へつなげた。五輪、世界選手権を通して、日本勢が男子トラック種目でメダルを取るのは初。
逆に、日本初のメダルにあと一歩のところで届かなかったのが男子4×100mリレー。松田亮(広島経大)、末續慎吾(東海大)、藤本俊之(同)、朝原宣治(大阪ガス)のオーダーで決勝へ進んだ日本は、準決勝の記録38秒54は8チーム中2番目で、メダルが期待された。しかし、3~4走のバトンパスでアクシデント。藤本がわずかによろけ、内側のレーンにいたアンカーの選手の右肘が藤本の左胸にぶつかった。朝原が減速して無事にバトンは渡り、38秒96で5位に入ったが、惜しくも快挙を逃すかたちとなった。
それでも、銀2、銅1を含む日本の入賞8は、史上最多となった。
世界選手権の悔しさバネに綾と今井が日本新
世界選手権の代表になりながらエドモントンでは振るわず、帰国後に日本新を出した女子選手2人の話題。
8月18日に香川・丸亀競技場で行われた香川県国体最終予選で、ハンマー投の綾真澄(中京大)が62m43の日本新。世界選手権は58m84で29位に終わっていた。
9月15日に神奈川県の横浜国際総合競技場で行われた日本グランプリシリーズ第8戦のスーパー陸上2001ヨコハマでは、走高跳の今井美希(ミズノ)が1m96を3回目にクリア。女子最古の日本記録だった佐藤恵(福岡大)の1m95を、14年ぶりに破った。初めて1m96に挑戦したのが、中京女大4年の日本インカレ。それから4年が経ち、「20回近く挑戦したかな」と話す今井は、26歳でついに佐藤の記録を征服した。エドモントンでは、1m85であえなく予選敗退。昨年のシドニー五輪も予選落ちしており、今回跳べた理由を聞かれた今井は「エドモントンの悔しさ、それだけだと思います」と話した。
日本が世界大会初のリレーV
第21回ユニバーシアード夏季大会が8月22日に中国・北京で開幕。陸上競技は8月27日から9月1日までの6日間、行われた。川畑伸吾(法大出、群馬総合ガードシステム)、奈良賢司(日体大)、奥迫政之(東海大)、大前祐介(早大)のオーダーで臨んだ最終日の男子4×100mリレー決勝は、日本歴代6位タイの38秒77で、米国の11連覇を阻止。シニア、ジュニアを含めて日本が、世界大会初のリレー種目優勝を遂げた。
この大会で日本は金2、銀2、銅6の大健闘。もう一つの金メダルは、男子ハーフマラソンの藤原正和(中大)が獲得した。
ベルリン・マラソンで高橋尚子が世界最高V
第28回ベルリン・マラソンが9月30日、ドイツの当地で行われた。午前9時にスタートしたレースは、曇り、気温16度と絶好のコンディション。高橋尚子(積水化学)は序盤から独走態勢を築き、2時間19分46秒の世界最高記録で優勝を飾った。女子が2時間20分の壁を破ったのは史上初で、2年前のこの大会でテグラ・ロルーペ(ケニア)が出した2時間20分43秒を1分近く更新。日本人がマラソンで世界最高を出すのは、1965年の重松森雄(福岡大)以来36年ぶりだった。
七種競技の中田は日本記録を奪還
2001日本選抜混成競技大会が10月6~7日、石川県の松任競技場で行われた。女子七種競技は、昨年のこの大会で5642点の日本新を出している中田有紀(東海デカスロン)が5862点の日本新で優勝。今年の日本選手権で佐藤さよ子(日立製作所土浦)に奪われた日本記録(5713点)を、約4ヵ月で奪還した。
また、第56回国民体育大会「新世紀・みやぎ国体」の陸上競技は、10月14~18日に宮城県利府町の宮城スタジアムで行われ、成年男子110mハードルで内藤真人(愛知・法大)が13秒50(+0.1)の日本新。谷川聡(ミズノ)が1999年8月にマークした13秒55を、2年ぶりに100分の5秒更新した。成年女子ハンマー投の綾真澄(香川・中京大)も64m43と、自己の持つ日本記録を一気に2m更新した。
日中対抗室内、女子走幅跳などで日本新
2002日中対抗室内シリーズは2月23日に横浜、3月3日に中国・天津、3月10日に中国・上海で行われた。横浜大会では、女子走幅跳の花岡麻帆(Office24)が6m39、同砲丸投の森千夏(国士大)が16m29の、ともに室内日本新をマークした。天津大会では、女子棒高跳の小野真澄(ミキハウス)が、自らの持つ4m21の室内日本記録を9cm上回る4m30に成功。2003年に開かれるパリ世界選手権の参加B標準記録(4m30)に到達した。女子砲丸投の森は、横浜で出したばかりの記録を51cm更新する16m80を投げた。
3月23~24日にアイルランド・ダブリンで開かれた第29回世界クロスカントリー選手権大会では、シニア女子ロング(7974m)で山中美和子(ダイハツ)が日本勢初のトップ10入り。3位の選手とわずか2秒差の27分19秒で、4位に食い込んだ。
日本陸連 英語表記から「アマチュア」を削除
日本陸連は3月27日に理事会を開き、競技団体の英語表記からAmateurを削除し、「Japan Association of Athletics Federations」とすることを決めた。昨年8月に国際陸連が団体名や憲章から「アマチュア」の表現を削除したことや、選手を取り巻く環境が変わってきたため。桜井孝次専務理事は「アマチュアという表現は金銭を受け取らないというイメージがあるが、成績に応じて強化費が支給される現在の実情とは合わない」と話した。
記事提供:月刊陸上競技
平成13年4月~平成14年3月
シーズンイン早々、日本新が次々と
男子ハンマー投の室伏広治(ミズノ)がシーズン初戦となった4月1日の梅村学園記録会(愛知県豊田市・中京大梅村陸上競技場)で、82m23の日本新。自身が昨年9月のスーパー陸上で投げた81m08を、一気に1m15更新した。また、4月7日に同競技場で行われた土曜記録会では、さらに37cm上回る82m60を投げた。
春季サーキット最終戦の「2021水戸国際陸上」は5月6日、茨城県水戸市の市立競技場で行われ、女子やり投で三宅貴子(ミキハウス)が5投目に57m86をマーク。1999年に小島裕子(三英社)が作った57m79の日本記録を更新した。さらに6投目には61m15を投げ、エドモントン世界選手権の参加A標準記録(60m30)を突破。旧規格のやりの日本記録・60m52も上回った。
5月4日に米国カリフォルニア州スタンフォード大学で行われたカーディナル招待競技会の男子10000mでは、高岡寿成(カネボウ)が27分35秒09の日本新で6位。1987年に中山竹通(ダイエー)が作った27分35秒33の日本記録を、14年ぶりに書き替えた。高岡は前年のシドニー五輪で7位に入賞しており、その時に「あとは日本記録を狙うだけ」と話していた。それを達成し、「これで悔いなくマラソンに入っていけます」と高岡。
5月12日に大阪市の長居陸上競技場で行われた国際グランプリ大阪大会では、女子800mの西村美樹(東京学芸大)が2分02秒23の日本新。1995年に岡本久美子(筑波大)が出した2分03秒45の日本記録を、一気に1秒22短縮した。
東アジア大会が大阪で開かれる
国際グランプリに続いて、大阪・長居陸上競技場では第3回東アジア競技大会が開かれた。陸上競技は5月23日から4日間の日程。日本は4年前の釜山大会を17人上回る78人の大選手団を編成した。ただ、金メダルは11と、前回の16を下回った。
日本新は女子3種目で誕生。400mでは、3位の柿沼和恵(ミズノ)が日本人初の52秒台となる52秒95。400mハードルの吉田真希子(福島大TC)は4位ながら57秒33と、日本記録を100分の1秒短縮した。この2人を2走、4走に配した4×400mリレーは2位。大会新となる3分33秒06は、6年ぶりの日本新記録で、日本陸連が設定したエドモントン世界選手権派遣標準記録の3分34秒00をクリアした。1走は杉森美保(京セラ)、3走は信岡沙希重(ミズノ)が務めている。
日本選手権女子走幅跳で歴史に残る名勝負
エドモントン世界選手権の最終選考会となる第85回日本選手権大会は6月8~10日、4年ぶりに東京・国立競技場で行われた。
女子走幅跳は、花岡麻帆(Office24)と池田久美子(福島大)がハイレベルのシーソーゲームを展開。優勝した花岡が6m82(+1.6)、2位の池田が6m78(+0.8)と4cm差で決着がついたが、2人とも花岡の持つ6m61の日本記録と、6m75の世界選手権参加A標準記録をクリア。そろってエドモントン行きを決めた。
女子ハンマー投の綾真澄(中京大)は、鈴木文(チチヤス乳業)の7連覇を阻んで、5投目に62m13の日本新。62m00の世界選手権参加B標準記録を破って、代表入りした。同砲丸投では、森千夏(国士大)が16m84の日本新で初優勝。昨年の日本選手権で豊永陽子(徳島健祥会)が作った16m46の日本記録を破った。女子七種競技では、佐藤さよ子(日立製作所土浦)が5713点の日本新。中田有紀(東海デカスロンチーム)が昨年6月に出した記録を71点更新した。
日本陸連は日本選手権終了の翌日、エドモントン世界選手権の代表を発表。男女52人のうち初出場が38人と、オリンピックの翌年で新旧交代期となった。
第17回日本ジュニア選手権は6月30日~7月1日に長野県の松本平広域公園競技場で行われ、初日の男子200mで19歳の大前祐介(早大)が20秒29(+0.8)のジュニア日本新記録(日本歴代3位)を樹立した。
7月14~15日には中国・北京で開催されるユニバーシアードの代表選手選考会となる第12回日本学生種目別選手権が岩手県北上市の北上総合公園競技場で行われ、女子100mで二瓶秀子(福島大院)が11秒36(+1.8)。坂上香織(ミキハウス)が持つ11秒42の日本記録を塗り替える、日本女子初の11秒3台だった。女子400mハードルでは同じ福島大出身の吉田真希子(福島大TC)が56秒83と、自らが持つ日本記録を0秒50更新した。
エドモントン世界選手権で過去最高の躍進
男子投てきとトラックで世界大会初のメダル獲得
第8回世界選手権エドモントン大会はカナダ・アルバータ州の州都で8月3日に開幕し、8月12日まで熱戦を展開した。
男子ハンマー投では、室伏広治(ミズノ)がシドニー五輪金メダルのシモン・ジョルコフスキ(ポーランド)と二転三転の攻防を繰り返した末、相手に逆転優勝を許したが、5投目に82m92を投げて銀メダルを獲得。五輪、世界選手権を通じて日本の投てき界に初のメダルをもたらした。シドニー五輪でベスト8に残れなかった室伏は「精一杯やりました。1投、1投、ベストを尽くすだけと思って投げました」と話し、試合が終わるとジョルコフスキと健闘を称え合った。
最終日の女子マラソンでは、土佐礼子が2時間26分06秒で2位、渋井陽子が4位と、三井海上コンビがダブル入賞。ワールドカップ団体戦で、日本は3大会続けての金メダルに輝いた。優勝はシドニー五輪で高橋尚子(積水化学)に敗れたリディア・シモン(ルーマニア)で、2時間26分01秒。男子マラソンも油谷繁(中国電力)が2時間14分07秒で5位、森下由輝(旭化成)が8位と2人が入賞し、団体戦で銀メダルを獲得した。
8月10日に決勝が行われた男子400mハードルでは、23歳の為末大(法大)が日本人初の47秒台となる47秒89で見事に銅メダルを獲得。準決勝でまず48秒10の日本新を出し、決勝の快挙へつなげた。五輪、世界選手権を通して、日本勢が男子トラック種目でメダルを取るのは初。

為末大 ©フォート・キシモト
男子20km競歩の栁澤哲(綜合警備保障)は、16km過ぎまでトップ集団に食らいつき、1時間22分11秒で7位入賞。この種目で五輪、世界選手権を通して初めての入賞となった。逆に、日本初のメダルにあと一歩のところで届かなかったのが男子4×100mリレー。松田亮(広島経大)、末續慎吾(東海大)、藤本俊之(同)、朝原宣治(大阪ガス)のオーダーで決勝へ進んだ日本は、準決勝の記録38秒54は8チーム中2番目で、メダルが期待された。しかし、3~4走のバトンパスでアクシデント。藤本がわずかによろけ、内側のレーンにいたアンカーの選手の右肘が藤本の左胸にぶつかった。朝原が減速して無事にバトンは渡り、38秒96で5位に入ったが、惜しくも快挙を逃すかたちとなった。
それでも、銀2、銅1を含む日本の入賞8は、史上最多となった。
世界選手権の悔しさバネに綾と今井が日本新
世界選手権の代表になりながらエドモントンでは振るわず、帰国後に日本新を出した女子選手2人の話題。
8月18日に香川・丸亀競技場で行われた香川県国体最終予選で、ハンマー投の綾真澄(中京大)が62m43の日本新。世界選手権は58m84で29位に終わっていた。
9月15日に神奈川県の横浜国際総合競技場で行われた日本グランプリシリーズ第8戦のスーパー陸上2001ヨコハマでは、走高跳の今井美希(ミズノ)が1m96を3回目にクリア。女子最古の日本記録だった佐藤恵(福岡大)の1m95を、14年ぶりに破った。初めて1m96に挑戦したのが、中京女大4年の日本インカレ。それから4年が経ち、「20回近く挑戦したかな」と話す今井は、26歳でついに佐藤の記録を征服した。エドモントンでは、1m85であえなく予選敗退。昨年のシドニー五輪も予選落ちしており、今回跳べた理由を聞かれた今井は「エドモントンの悔しさ、それだけだと思います」と話した。
日本が世界大会初のリレーV
第21回ユニバーシアード夏季大会が8月22日に中国・北京で開幕。陸上競技は8月27日から9月1日までの6日間、行われた。川畑伸吾(法大出、群馬総合ガードシステム)、奈良賢司(日体大)、奥迫政之(東海大)、大前祐介(早大)のオーダーで臨んだ最終日の男子4×100mリレー決勝は、日本歴代6位タイの38秒77で、米国の11連覇を阻止。シニア、ジュニアを含めて日本が、世界大会初のリレー種目優勝を遂げた。
この大会で日本は金2、銀2、銅6の大健闘。もう一つの金メダルは、男子ハーフマラソンの藤原正和(中大)が獲得した。
ベルリン・マラソンで高橋尚子が世界最高V
第28回ベルリン・マラソンが9月30日、ドイツの当地で行われた。午前9時にスタートしたレースは、曇り、気温16度と絶好のコンディション。高橋尚子(積水化学)は序盤から独走態勢を築き、2時間19分46秒の世界最高記録で優勝を飾った。女子が2時間20分の壁を破ったのは史上初で、2年前のこの大会でテグラ・ロルーペ(ケニア)が出した2時間20分43秒を1分近く更新。日本人がマラソンで世界最高を出すのは、1965年の重松森雄(福岡大)以来36年ぶりだった。
七種競技の中田は日本記録を奪還
2001日本選抜混成競技大会が10月6~7日、石川県の松任競技場で行われた。女子七種競技は、昨年のこの大会で5642点の日本新を出している中田有紀(東海デカスロン)が5862点の日本新で優勝。今年の日本選手権で佐藤さよ子(日立製作所土浦)に奪われた日本記録(5713点)を、約4ヵ月で奪還した。
また、第56回国民体育大会「新世紀・みやぎ国体」の陸上競技は、10月14~18日に宮城県利府町の宮城スタジアムで行われ、成年男子110mハードルで内藤真人(愛知・法大)が13秒50(+0.1)の日本新。谷川聡(ミズノ)が1999年8月にマークした13秒55を、2年ぶりに100分の5秒更新した。成年女子ハンマー投の綾真澄(香川・中京大)も64m43と、自己の持つ日本記録を一気に2m更新した。
日中対抗室内、女子走幅跳などで日本新
2002日中対抗室内シリーズは2月23日に横浜、3月3日に中国・天津、3月10日に中国・上海で行われた。横浜大会では、女子走幅跳の花岡麻帆(Office24)が6m39、同砲丸投の森千夏(国士大)が16m29の、ともに室内日本新をマークした。天津大会では、女子棒高跳の小野真澄(ミキハウス)が、自らの持つ4m21の室内日本記録を9cm上回る4m30に成功。2003年に開かれるパリ世界選手権の参加B標準記録(4m30)に到達した。女子砲丸投の森は、横浜で出したばかりの記録を51cm更新する16m80を投げた。
3月23~24日にアイルランド・ダブリンで開かれた第29回世界クロスカントリー選手権大会では、シニア女子ロング(7974m)で山中美和子(ダイハツ)が日本勢初のトップ10入り。3位の選手とわずか2秒差の27分19秒で、4位に食い込んだ。
日本陸連 英語表記から「アマチュア」を削除
日本陸連は3月27日に理事会を開き、競技団体の英語表記からAmateurを削除し、「Japan Association of Athletics Federations」とすることを決めた。昨年8月に国際陸連が団体名や憲章から「アマチュア」の表現を削除したことや、選手を取り巻く環境が変わってきたため。桜井孝次専務理事は「アマチュアという表現は金銭を受け取らないというイメージがあるが、成績に応じて強化費が支給される現在の実情とは合わない」と話した。
記事提供:月刊陸上競技


