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日本陸上競技連盟史

2002年度

2002年度
平成14年4月~平成15年3月


女子10000mで日本人初の30分台


 5月3日、米国カリフォルニア州パロアルトのスタンフォード大学で行われたカージナル招待女子10000mで、渋井陽子(三井住友海上)が30分48秒89の日本新記録を樹立した。川上優子(沖電気宮崎)が2000年7月に米国で出した31分09秒46を一気に20秒57更新する、日本人初の30分台。自己ベストをちょうど1分上回る会心のレースで、世界歴代14位に入る好記録だった。

石川・金沢で北陸初の日本選手権開催

 日本グランプリシリーズの春季サーキットは8月のアジア選手権(スリランカ・コロンボ)、10月のアジア大会(韓国・釜山)の代表選手選考会を兼ねて4月半ばから5月初めにかけて5戦行われた。

1997年以来5年ぶりに日本新記録がゼロに終わったが、ひと際目を引いたのが水戸国際(5月6日)の男子100m。末續慎吾(東海大)が日本歴代3位の10秒05(+1.9)をマークした。伊東浩司(富士通)の10秒00、朝原宣治(大阪ガス)の10秒02は海外で出された記録で、国内で出された日本人最高記録だった。

 第86回日本選手権も同選考会として、6月7~9日に石川県金沢市の西部緑地公園競技場で行われた。北陸での日本選手権開催は初。男子100mは、朝原が10秒05(+1.4)の大会新で3年連続5回目の優勝。伊東が1998年に出した10秒08を破った。女子短距離では、新井初佳(ピップフジモト)が5年連続で100m、200mの2冠を達成した。

 この他、花岡麻帆(Office24)は3年連続で女子走幅跳と三段跳の2種目優勝。福士加代子(ワコール)は、女子5000mと10000mの長距離2冠。吉田真希子(福島大TC)は、女子400mと400mハードルの2種目を制し、400mハードルでは自身の持つ日本記録を100分の1秒縮める56秒82をマークした。女子棒高跳の近藤高代(長谷川体育施設)は、4m20の日本タイをクリアした。

女子ハンマー投の綾が66m台を連発

 日本選手権直後の6月12日、岐阜市の長良川陸上競技場で行われた中部実業団対抗陸上で、女子ハンマー投の綾真澄(グローバリー)が66m23を投げ、自身が昨年10月の国体でマークした64m43の日本記録を更新。6月25日の中京大土曜記録会で66m27と、さらに4cm記録を伸ばした。

 日本陸連強化委員会が新設した中距離サーキット「2002アコム・ミドル・ディスタンス・チャレンジ」第3戦が6月23日、第42回実業団・学生対抗陸上終了後の特別レースとして、神奈川県小田原市の城山陸上競技場で行われた。女子1500mで田村育子(グローバリー)が4分10秒39の日本新をマーク。弘山晴美(資生堂)が1994年4月の織田記念で出した4分11秒10を、8年ぶりに破った。

 7月21日に千葉県市原市の臨海競技場で行われた第9回市原ナイター記録会では、男子棒高跳で小林史明(日体大AC)が5m71の日本新。横山学(三観陸協)が2000年4月の織田記念で作った5m70の日本記録を1cm更新し、3年ぶりに日本記録保持者の座に返り咲いた。この種目で、2003年に開かれるパリ世界選手権参加A標準記録(5m70)の突破第1号。

 日本グランプリシリーズ第7戦で、アジア大会の選考会として7月21日に札幌市・円山競技場で行われた第15回南部記念。女子砲丸投では、森千夏(国士大)が6回目に自身の持つ日本記録を3cm更新する16m87を投げて逆転優勝した。脚の故障で日本選手権を欠場した末續慎吾(東海大)は、今季初の200mで20秒37(+1.9)をマークして圧勝。女子走高跳では欧州遠征から帰国したばかりの太田陽子(ミキハウス)が、自己記録を1cm上回る1m95(日本歴代2位)に成功し、パリ世界選手権の参加A標準記録に到達した。

20歳の福士加代子が欧州で日本新3連発

 日本選手権で女子5000mと10000mを制した20歳の福士加代子(ワコール)は、その後に中国雲南省の昆明で3週間の高地トレーニングをこなして渡欧。転戦しながら、長距離種目で日本新3連発と大活躍した。

 1試合目は7月5日、国際陸連が主催するゴールデンリーグ(GL)第2戦のパリ国際(フランス)。3000mで、弘山晴美(資生堂)が1994年に作った日本記録8分50秒40を8年ぶりに破る8分44秒40を出し、7位でフィニッシュした。

 2試合目は7月12日にイタリア・ローマで行われたGL第3戦のゴールデン・ガラの5000m。弘山の持つ15分03秒67を4年ぶりに破る日本新記録(15分02秒08)で7位に入った。

 3戦目は7月20日にベルギーのヒューズデン・ゾルダーで行われたナイト・オブ・アスレティック。大雨の中、午後9時過ぎにスタートした5000mで、日本人女子で初めて15分の壁を破る14分55秒21をマークし、2位に入った。

釜山アジア大会で室伏と末續が金メダル

 第14回アジア大会は韓国・釜山で9月29日に開幕。陸上競技は10月7~14日(11日は休養日)の7日間、アジアードメインスタジアムで行われた。

 2日目の男子ハンマー投は、室伏広治(ミズノ)が大会新の78m72で2連覇。土井宏昭(中京大)が69m57で続き、日本が金・銀を獲得した。室伏はその2週間前の9月14日、パリで開かれた国際グランプリシリーズ・ファイナルに出場。6投目に81m14を投げ、80m03のアドリアン・アンヌシュ(ハンガリー)を逆転して、日本人初の種目別総合優勝に輝いた。

室伏広治 ©フォート・キシモト

 釜山アジア大会は中東勢の躍進が目立ち、これまで銀メダルが最高だったサウジアラビアが金メダル7個を獲得。日本は室伏の他に、男子200mの末續慎吾(東海大)が20秒38(±0)で優勝しただけで、金メダルは2個。前回の12個から大きく後退した。

 女子5000mの福士加代子(ワコール)は、14分55秒19で銀メダル。自身がヨーロッパで出した記録を100分の2秒更新する日本新だった。女子砲丸投では、森千夏(国士大)と豊永陽子(健祥会)が日本新記録の応酬。5位の森が16m93、6位の豊永が16m90で、国士大の後輩が先輩を抑えた。

高岡がシカゴ・マラソンで2時間6分16秒の日本最高

 第25回シカゴ・マラソンが10月13日に米国イリノイ州の当地で行われ、高岡寿成(カネボウ)が2時間6分16秒の日本最高記録で3位に入った。藤田敦史(富士通)が2000年12月の福岡国際マラソンで出した2時間6分51秒を35秒更新。トラック3種目(3000m、5000m、10000m)の日本記録保持者が、2度目のマラソンで世界歴代4位タイの快走を見せた。高岡は28kmからトップを独走。35kmで2位集団に25秒近い差をつけたが、世界記録保持者のハリド・ハヌーチ(米国)に40kmで捕まった。2位は日本の実業団(ヤクルト)に所属するダニエル・ジェンガ(ケニア)で、3位の高岡と同タイムだった。

女子砲丸投で森が日本人初の17m台

 第21回浜松中日カーニバルが11月3日、静岡県浜松市の四ツ池公園陸上競技場で行われ、女子砲丸投の森千夏(国士大)が17m39の日本新。自身が釜山アジア大会で出した16m93を破り、日本人初の17m台をプットした。林香代子(熊本高教)が1977年に日本人初の16m台となる16m00を出してから25年。森は2投目にまず16m94を投げ、4投目に17m36、5投目に17m39と、一つの大会で計3度の日本新記録を出した。

熊日30kmで松宮隆行が世界最高

 第47回熊日30kmロードレースが2003年2月16日、熊本市の熊日会館前を発着点とし、菊池郡菊陽町原水を折り返す日本陸連公認コースで行われた。コニカの双子ランナーの兄・松宮隆行が1時間28分36秒で優勝。西本一也(九州産交)が1985年に樹立した日本最高記録を10秒塗り替えた。また、85年のシカゴ・マラソンでスティーブ・ジョーンズ(英国)が出した30km通過タイムを4秒上回る、世界最高記録。熊本陸協と日本陸連は国際陸連(IAAF)にコース確認を依頼し、3月4日の計測を経て、松宮のタイムを「世界最高記録」としてIAAFに申請した。

女子800mで杉森が室内アジア新

 日中対抗室内陸上が2月18日に中国・天津、2月22日に横浜市の横浜アリーナで開催された。女子800mの杉森美保(京セラ)は天津で2分02秒89、横浜では独走で2分00秒78の、ともに室内アジア新。屋外の日本記録(2分02秒23)を上回ると同時に、パリ世界選手権の参加B標準記録(2分01秒30)もクリアした。また、女子の砲丸投や走幅跳でも室内日本新が出た。


記事提供:月刊陸上競技