日本陸上競技連盟史
2018年度
2018年度
令和2年4月~令和3年3月
マラソンが活況、シカゴでは大迫が日本新、井上はアジア大会金
2月の東京マラソンで設楽悠太(Honda)が16年ぶり日本新の2時間6分11秒をマークしたことで盛り上がった男子マラソンは、その後も活況が続く。まずは4月16日、ボストン・マラソン(米国)で川内優輝(埼玉県庁)が優勝を飾った。今回で122回目を誇る伝統の大会を制した公務員ランナーの話題は世界に発信され、陸上界にとどまらない大きな反響があった。
冷雨の向かい風の極悪コンディションを味方に、川内はスタートから飛び出す。5kmで後続に吸収され、27kmで前回覇者のジョフリー・キルイ(ケニア)に引き離されたものの、終盤に失速したキルイを再逆転した。日本人の優勝は1987年の瀬古利彦(エスビー食品)以来31年ぶりで、ワールドマラソンメジャーズ優勝は日本人では初めて。川内は2019年春にプロランナーへ転向する意向を表明している。
続いて10月7日のシカゴ・マラソン(米国)。大迫傑(Nike ORPJT)が2時間5分50秒と、日本人初の2時間5分台突入を果たす日本新。前半のハーフ1時間3分04秒、後半が1時間2分46秒のネガティブ・スプリットにその強さを表現した。
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第18回アジア大会(8月18日~9月2日/インドネシア・ジャカルタ)では井上大仁(MHPS)が日本勢32年ぶりの金メダルを獲得。近年は惜敗の銀、銅メダルが続いていたが、井上はスプリント勝負を制して勝利をつかんだ。
8月の北海道マラソンで鈴木亜由子(日本郵政グループ)が初マラソンで優勝したことは、女子マラソン界のトピック。エリウド・キプチョゲが2時間1分39秒の世界新を樹立した9月16日のベルリン・マラソンでは、男子は中村匠吾(富士通)ら3名、女子も松田瑞生(ダイハツ)ら4名が好記録で10位以内に入り、19年9月に控える東京五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」路線も盛り上がってきた。
上半期に男子種目で日本新3つ
砲丸投の中村、男子110mハードルの金井、円盤投の湯上
アジア大会の代表選考会を兼ねて、6月22日~24日に山口市の維新みらいふスタジアムで開催された第102回日本選手権が上半期のメイン。その日本選手権での2つを含め、6月までに3つの日本新が誕生した。
皮切りは5月20日に行われたセイコーゴールデングランプリ大阪(ヤンマースタジアム長居)。男子砲丸投で中村太地(チームミズノ)が18m85をプットした。畑瀬聡(群馬綜合ガードシステム)の日本記録を3年ぶりに7㎝更新。回転投法での日本記録更新は野澤具隆(ゼンリン)以来22年ぶり2人目で、回転投法の日本最高記録18m29(野口安忠)を大きく超えた点でも画期的だった。
男子110mハードルでの大仕事は、法大を卒業したばかりの金井大旺(福井スポーツ協会)が成し遂げる。日本選手権決勝でマークしたタイムは13秒36(+0.7)。谷川聡(ミズノ)が2004年アテネ五輪で作った日本記録を14年ぶりに0.03秒縮めた。海外選手を相手に2位を占めたゴールデングランプリ大阪での13秒53(自己タイ)、6月4日の布勢スプリント(鳥取・布勢総合)での自己新13秒52と好調ではあったが、13秒3台へ突き抜けたパフォーマンスは本人もビックリ。世界との差が大きかった日本のスプリントハードルが、新記録ラッシュの時代へと突入していく。
男子円盤投の日本新も衝撃だった。湯上剛輝(トヨタ自動車)が2投目から5投連続の自己新、3投連続の日本新で62m16へ突き抜けたのだ。聴覚に先天性の障がいを持ち、球技は危険だからと陸上競技を始め、「頑張れば頑張るほど記録が伸びる」円盤投に魅了された。中京大3年時のデフリンピック銀メダルなどをステップに、今季は好調なスタートから、高みに駆け上がった。あらゆるカテゴリーの新記録を樹立してきた堤雄司(群馬綜合ガードシステム)が38年ぶりの日本記録更新を果たした翌年の快投である。
ジャカルタでのアジア大会で金メダル6個の大躍進
インドネシア・ジャカルタを舞台にした第18回アジア大会で、日本勢は金メダルを6個獲得した。銀メダル2、銅メダル10を合わせたメダル総数は18。前記した男子マラソンが陸上初日、同2日目に男子十種競技、同5日目に男子200mと男子棒高跳、陸上最終日に50km競歩と男子4×100mリレーで優勝を重ねた。
男子200mでは桐生祥秀(日本生命)という同い年の大きな背中を追い続けた男が、ビッグタイトルをつかんだ。慶大を卒業して社会人1年目にして進境著しい小池祐貴(ANA)である。日本選手権で2位、7月中旬に欧州で日本歴代7位タイの20秒29を経て、昨年のユニバーシアード100m勝者の楊俊瀚(台湾)と対峙。大接戦の末、互いに上体をフィニッシュラインへ投げ出し転がり込んだ戦いは、同記録の20秒23(+0.7)、1000分の2秒差で小池が制した。
世界大会で進撃する男子4×100mリレーは、アジア大会になると惜敗の「銀」が多く、5大会・20年ぶりの金メダル。200mの小池と飯塚翔太(ミズノ/200m6位)は4×400mリレーに入り、100m主体のメンバーに。1走から順に、自己タイの10秒00(+0.8)で100m銅メダルの山縣亮太(セイコー)、昨年のブレイク後に日本トップ層に加わった多田修平(関学大)、100m9秒98の桐生、100m準決勝敗退の雪辱を期すケンブリッジ飛鳥(Nike)。1走の山縣でリードを奪い、インドネシアや中国を圧倒した。
男子棒高跳の山本聖途(トヨタ自動車)は強い勝ち方だった。5m60を1回目で成功させ、5m60、5m65を山本以外がクリアできず優勝決定。大会記録を5cm塗り替える5m70を成功させて優勝に花を添え、日本新挑戦(5m84)を堪能までした。
男子十種競技は2大会連続の金・銅。そのメダリストは右代啓祐(国士舘クラブ)と中村明彦(スズキ浜松AC)の8000点台コンビ。この種目の連覇は大会史上3人目の快挙だった。男子50km競歩の勝木隼人(自衛隊体育学校)は「5分」のロスを巻き返して大逆転勝利。丸尾知司(愛知製鋼)と優勝を争っていた34km手前、今大会から採用の「警告3回でピットレーン5分待機」を受けてしまう。4位転落から再度追い上げを開始。42km付近で丸尾と王欽(中国)をかわし、気温30度でのタフな戦いを4時間3分30秒で制した。
2つの銀メダルは、男子20kmの山西利和(愛知製鋼)と女子マラソンの野上恵子(十八銀行)。女子20km競歩の岡田久美子(ビックカメラ)が銅メダルを取り、競歩陣は全種目でメダルを獲得。安部孝駿(デサントTC)は男子400mハードルの日本勢連続メダルを死守。男子3000m障害の塩尻和也(順大)、女子ハンマー投の勝山眸美(オリコ)、七種競技の山崎有紀(スズキ浜松AC)が価値ある銅メダルを獲得している。
女子七種競技で宇都宮、山崎に勢い
2018年は女子七種競技に勢いがあった。春は宇都宮絵莉(長谷川体育施設)が台頭。アジア大会代表選考会を兼ねた「TOKYO Combined Events Meet 2018」(東京・駒沢)を5821点の日本歴代3位で制してビッグゲームを初制覇すると、5月6日の木南記念(大阪・ヤンマースタジアム長居)では400mハードルで56秒84の日本歴代9位と才能を開花させた。日本選手権では山崎有紀(スズキ浜松AC)が宇都宮の日本歴代3位を抜く5836点で、3連覇中のヘンプヒル恵(中大)らを破って初優勝を遂げた。アジア大会に駒を進めた山崎は、銅メダルを獲得している。
走幅跳の橋岡、3000mの田中がU20世界選手権を制覇
7月10日~15日にフィンランド・タンペレで行われたU20世界選手権では、日本に2つの金メダルが輝く。男子走幅跳で橋岡優輝(日大)が同種目日本人初制覇。予選を全体のトップで通過し、決勝も1回目の7m91(+0.3)でトップに立つ。一度は抜かれたが、3回目、橋岡のジャンプにスタンドから驚きの声が上がる。8m03(+0.9)を記録して勝負を決めた。
女子3000mでは田中希美(ND28AC)が、アフリカ勢を相手に圧勝した。田中と和田有菜(名城大)が他を引き離して大逃げを打つ。後続に捕まった和田は惜しくも4位となったが、田中はリードを大きく保ったままフィニッシュ。8分54秒01の鮮やかな自己新だった。
2018年のジュニア戦線は女子の活躍が顕著で、日本選手権では2人の高校生チャンピオンが誕生。高良彩花(園田学園高)が走幅跳、齋藤真希(鶴岡工高)が円盤投を制した。高良は2連覇の日本選手権に先立って、アジア・ジュニア選手権の優勝とともに6m44(+0.8)の高校タイを跳躍。齋藤は4月に52m38のU18日本新、高校新を投じていた。棒高跳の田中伶奈(観音寺一高)は4m12のU20日本新、高校新を、100mハードルの小林歩未(市船橋高)は13秒34(-0.3)のU18日本新、高校新をマークした。
MGC出場者出そろう
2017年8月にスタートした東京五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」への出場権を懸けたMGCシリーズが、2019年3月末を持って終了。男子は34人、女子は15人が出場権を獲得した。男子で日本記録が2度更新されたほか、男女ともに歴代上位記録が続出。活況を呈する状況で、東京五輪とほぼ同じコース設定(後に札幌へ移転)となった2019年9月15日のMGC本番を迎えることになる。
走高跳・戸邉直人がIAAF室内ツアー制覇の快挙
2018年の室内シーズンでは、男子走高跳の戸邉直人(つくばツインピークス)が快挙を成し遂げた。国際陸連(IAAF)室内ツアーに参戦し、その2戦目(2月2日/ドイツ・カールスルーエ)で13年ぶり日本新の2m35に成功すると、第5戦(2月16日/英国・バーミンガム)を2m29、最終戦(2月25日/ドイツ・デュッセルドルフ)を2m34で制し、出場3戦全勝で日本人初の総合優勝を果たした。
記事提供:月刊陸上競技
令和2年4月~令和3年3月
マラソンが活況、シカゴでは大迫が日本新、井上はアジア大会金
2月の東京マラソンで設楽悠太(Honda)が16年ぶり日本新の2時間6分11秒をマークしたことで盛り上がった男子マラソンは、その後も活況が続く。まずは4月16日、ボストン・マラソン(米国)で川内優輝(埼玉県庁)が優勝を飾った。今回で122回目を誇る伝統の大会を制した公務員ランナーの話題は世界に発信され、陸上界にとどまらない大きな反響があった。
冷雨の向かい風の極悪コンディションを味方に、川内はスタートから飛び出す。5kmで後続に吸収され、27kmで前回覇者のジョフリー・キルイ(ケニア)に引き離されたものの、終盤に失速したキルイを再逆転した。日本人の優勝は1987年の瀬古利彦(エスビー食品)以来31年ぶりで、ワールドマラソンメジャーズ優勝は日本人では初めて。川内は2019年春にプロランナーへ転向する意向を表明している。
続いて10月7日のシカゴ・マラソン(米国)。大迫傑(Nike ORPJT)が2時間5分50秒と、日本人初の2時間5分台突入を果たす日本新。前半のハーフ1時間3分04秒、後半が1時間2分46秒のネガティブ・スプリットにその強さを表現した。
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第18回アジア大会(8月18日~9月2日/インドネシア・ジャカルタ)では井上大仁(MHPS)が日本勢32年ぶりの金メダルを獲得。近年は惜敗の銀、銅メダルが続いていたが、井上はスプリント勝負を制して勝利をつかんだ。

アジア大会 井上大仁 ©月刊陸上競技
8月の北海道マラソンで鈴木亜由子(日本郵政グループ)が初マラソンで優勝したことは、女子マラソン界のトピック。エリウド・キプチョゲが2時間1分39秒の世界新を樹立した9月16日のベルリン・マラソンでは、男子は中村匠吾(富士通)ら3名、女子も松田瑞生(ダイハツ)ら4名が好記録で10位以内に入り、19年9月に控える東京五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」路線も盛り上がってきた。
上半期に男子種目で日本新3つ
砲丸投の中村、男子110mハードルの金井、円盤投の湯上
アジア大会の代表選考会を兼ねて、6月22日~24日に山口市の維新みらいふスタジアムで開催された第102回日本選手権が上半期のメイン。その日本選手権での2つを含め、6月までに3つの日本新が誕生した。
皮切りは5月20日に行われたセイコーゴールデングランプリ大阪(ヤンマースタジアム長居)。男子砲丸投で中村太地(チームミズノ)が18m85をプットした。畑瀬聡(群馬綜合ガードシステム)の日本記録を3年ぶりに7㎝更新。回転投法での日本記録更新は野澤具隆(ゼンリン)以来22年ぶり2人目で、回転投法の日本最高記録18m29(野口安忠)を大きく超えた点でも画期的だった。
男子110mハードルでの大仕事は、法大を卒業したばかりの金井大旺(福井スポーツ協会)が成し遂げる。日本選手権決勝でマークしたタイムは13秒36(+0.7)。谷川聡(ミズノ)が2004年アテネ五輪で作った日本記録を14年ぶりに0.03秒縮めた。海外選手を相手に2位を占めたゴールデングランプリ大阪での13秒53(自己タイ)、6月4日の布勢スプリント(鳥取・布勢総合)での自己新13秒52と好調ではあったが、13秒3台へ突き抜けたパフォーマンスは本人もビックリ。世界との差が大きかった日本のスプリントハードルが、新記録ラッシュの時代へと突入していく。

日本選手権 金井大旺 ©月刊陸上競技
男子円盤投の日本新も衝撃だった。湯上剛輝(トヨタ自動車)が2投目から5投連続の自己新、3投連続の日本新で62m16へ突き抜けたのだ。聴覚に先天性の障がいを持ち、球技は危険だからと陸上競技を始め、「頑張れば頑張るほど記録が伸びる」円盤投に魅了された。中京大3年時のデフリンピック銀メダルなどをステップに、今季は好調なスタートから、高みに駆け上がった。あらゆるカテゴリーの新記録を樹立してきた堤雄司(群馬綜合ガードシステム)が38年ぶりの日本記録更新を果たした翌年の快投である。
ジャカルタでのアジア大会で金メダル6個の大躍進
インドネシア・ジャカルタを舞台にした第18回アジア大会で、日本勢は金メダルを6個獲得した。銀メダル2、銅メダル10を合わせたメダル総数は18。前記した男子マラソンが陸上初日、同2日目に男子十種競技、同5日目に男子200mと男子棒高跳、陸上最終日に50km競歩と男子4×100mリレーで優勝を重ねた。
男子200mでは桐生祥秀(日本生命)という同い年の大きな背中を追い続けた男が、ビッグタイトルをつかんだ。慶大を卒業して社会人1年目にして進境著しい小池祐貴(ANA)である。日本選手権で2位、7月中旬に欧州で日本歴代7位タイの20秒29を経て、昨年のユニバーシアード100m勝者の楊俊瀚(台湾)と対峙。大接戦の末、互いに上体をフィニッシュラインへ投げ出し転がり込んだ戦いは、同記録の20秒23(+0.7)、1000分の2秒差で小池が制した。
世界大会で進撃する男子4×100mリレーは、アジア大会になると惜敗の「銀」が多く、5大会・20年ぶりの金メダル。200mの小池と飯塚翔太(ミズノ/200m6位)は4×400mリレーに入り、100m主体のメンバーに。1走から順に、自己タイの10秒00(+0.8)で100m銅メダルの山縣亮太(セイコー)、昨年のブレイク後に日本トップ層に加わった多田修平(関学大)、100m9秒98の桐生、100m準決勝敗退の雪辱を期すケンブリッジ飛鳥(Nike)。1走の山縣でリードを奪い、インドネシアや中国を圧倒した。

アジア大会男子4×100mリレー ©月刊陸上競技
男子棒高跳の山本聖途(トヨタ自動車)は強い勝ち方だった。5m60を1回目で成功させ、5m60、5m65を山本以外がクリアできず優勝決定。大会記録を5cm塗り替える5m70を成功させて優勝に花を添え、日本新挑戦(5m84)を堪能までした。
男子十種競技は2大会連続の金・銅。そのメダリストは右代啓祐(国士舘クラブ)と中村明彦(スズキ浜松AC)の8000点台コンビ。この種目の連覇は大会史上3人目の快挙だった。男子50km競歩の勝木隼人(自衛隊体育学校)は「5分」のロスを巻き返して大逆転勝利。丸尾知司(愛知製鋼)と優勝を争っていた34km手前、今大会から採用の「警告3回でピットレーン5分待機」を受けてしまう。4位転落から再度追い上げを開始。42km付近で丸尾と王欽(中国)をかわし、気温30度でのタフな戦いを4時間3分30秒で制した。
2つの銀メダルは、男子20kmの山西利和(愛知製鋼)と女子マラソンの野上恵子(十八銀行)。女子20km競歩の岡田久美子(ビックカメラ)が銅メダルを取り、競歩陣は全種目でメダルを獲得。安部孝駿(デサントTC)は男子400mハードルの日本勢連続メダルを死守。男子3000m障害の塩尻和也(順大)、女子ハンマー投の勝山眸美(オリコ)、七種競技の山崎有紀(スズキ浜松AC)が価値ある銅メダルを獲得している。
女子七種競技で宇都宮、山崎に勢い
2018年は女子七種競技に勢いがあった。春は宇都宮絵莉(長谷川体育施設)が台頭。アジア大会代表選考会を兼ねた「TOKYO Combined Events Meet 2018」(東京・駒沢)を5821点の日本歴代3位で制してビッグゲームを初制覇すると、5月6日の木南記念(大阪・ヤンマースタジアム長居)では400mハードルで56秒84の日本歴代9位と才能を開花させた。日本選手権では山崎有紀(スズキ浜松AC)が宇都宮の日本歴代3位を抜く5836点で、3連覇中のヘンプヒル恵(中大)らを破って初優勝を遂げた。アジア大会に駒を進めた山崎は、銅メダルを獲得している。
走幅跳の橋岡、3000mの田中がU20世界選手権を制覇
7月10日~15日にフィンランド・タンペレで行われたU20世界選手権では、日本に2つの金メダルが輝く。男子走幅跳で橋岡優輝(日大)が同種目日本人初制覇。予選を全体のトップで通過し、決勝も1回目の7m91(+0.3)でトップに立つ。一度は抜かれたが、3回目、橋岡のジャンプにスタンドから驚きの声が上がる。8m03(+0.9)を記録して勝負を決めた。
女子3000mでは田中希美(ND28AC)が、アフリカ勢を相手に圧勝した。田中と和田有菜(名城大)が他を引き離して大逃げを打つ。後続に捕まった和田は惜しくも4位となったが、田中はリードを大きく保ったままフィニッシュ。8分54秒01の鮮やかな自己新だった。
2018年のジュニア戦線は女子の活躍が顕著で、日本選手権では2人の高校生チャンピオンが誕生。高良彩花(園田学園高)が走幅跳、齋藤真希(鶴岡工高)が円盤投を制した。高良は2連覇の日本選手権に先立って、アジア・ジュニア選手権の優勝とともに6m44(+0.8)の高校タイを跳躍。齋藤は4月に52m38のU18日本新、高校新を投じていた。棒高跳の田中伶奈(観音寺一高)は4m12のU20日本新、高校新を、100mハードルの小林歩未(市船橋高)は13秒34(-0.3)のU18日本新、高校新をマークした。
MGC出場者出そろう
2017年8月にスタートした東京五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」への出場権を懸けたMGCシリーズが、2019年3月末を持って終了。男子は34人、女子は15人が出場権を獲得した。男子で日本記録が2度更新されたほか、男女ともに歴代上位記録が続出。活況を呈する状況で、東京五輪とほぼ同じコース設定(後に札幌へ移転)となった2019年9月15日のMGC本番を迎えることになる。
走高跳・戸邉直人がIAAF室内ツアー制覇の快挙
2018年の室内シーズンでは、男子走高跳の戸邉直人(つくばツインピークス)が快挙を成し遂げた。国際陸連(IAAF)室内ツアーに参戦し、その2戦目(2月2日/ドイツ・カールスルーエ)で13年ぶり日本新の2m35に成功すると、第5戦(2月16日/英国・バーミンガム)を2m29、最終戦(2月25日/ドイツ・デュッセルドルフ)を2m34で制し、出場3戦全勝で日本人初の総合優勝を果たした。
記事提供:月刊陸上競技


