北口榛花
Kitaguchi Haruka
1998年３月16日生まれ
北海道旭川市出身
旭川東高（北海道）→日大→JAL



2024年パリ五輪女子やり投で金メダルを獲得。五輪と世界選手権の陸上女子トラック＆フィールド種目における日本人初の金メダル獲得者で、日本女子投てき界の歴史を変えた世界的スロワー。

幼少期から運動能力が高く、３歳から水泳を始め、小学１年で始めたバドミントンで６年時に全国大会団体優勝。北教大附属旭川中時代には競泳で全国大会に出場した。

旭川東高へ進学し、顧問に誘われ陸上を始めた。やり投に取り組み始めて２ヵ月で北海道大会を制し、競技開始からわずか１年でインターハイ、日本ユース選手権、国民体育大会の３冠を達成した。2015年、日本陸連「ダイアモンドアスリート」認定。同年の世界ユース選手権女子やり投で金メダルに輝き、インターハイと国体を連覇。日本ジュニア選手権大会も優勝し、58ｍ90の高校新記録を作った。

2016年、日大スポーツ科学部に入学。2019年２月から練習拠点をチェコに置く。同年５月の木南記念で64ｍ36の日本新記録を樹立。６月の日本選手権は63ｍ68の大会新記録で初優勝を果たした。ドーハ世界選手権は組13位で予選敗退。10月の北九州陸上カーニバルで66ｍ00を投げ、自身の持つ日本記録を更新した。

2020年、日本航空入社。翌21年の日本選手権を61ｍ49で２年ぶりに制し、東京五輪日本代表に内定した。８月の東京五輪では、予選の１投目で62ｍ06を記録し、この種目で日本女子選手57年ぶりとなる決勝進出を決めた。決勝は55ｍ42で12位にとどまった。

2022年６月、陸上の世界最高峰シリーズであるダイヤモンドリーグ（DL）で日本勢初優勝ｗ飾る。７月のオレゴン世界選手権では、63ｍ27で３位に入り、日本陸上女子フィールド種目で五輪と世界選手権で史上初となる銅メダルを獲得した。

さらに2023年ブダペスト世界選手権では、66ｍ73のビッグアーチを描き、金メダルに輝いた。世界選手権２大会連続のメダル獲得は、日本人選手６人目で、女子では初。同年９月にはDLで67ｍ38と自身の持つ日本記録を塗り替えた。翌週行われた年間上位者で争うDLファイナルでも実力を示し、63ｍ78で優勝。日本勢初のDL年間チャンピオンに輝き、この種目のアジア選手としても初の女王という快挙を成し遂げた。

2024年８月のパリ五輪では、予選１投目で62ｍ58を投げて通過ラインをクリア。決勝では１投目で65ｍ80をマークし、その記録を超える選手が現れず、そのまま金メダルが確定した。同年９月のDLファイナルでは66ｍ13を記録し、２連覇を達成した。

母国開催となった2025年世界選手権東京大会で連覇を狙ったが、右肘のケガの影響で予選全体14位の60ｍ38にとどまり、決勝進出を逃した。

2024年紫綬褒章受章。ほかに日本スポーツ大賞など多くの受賞歴がある。2025年１月からJOCシンボルアスリート。

記事提供：月刊陸上競技