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PEOPLE人物オリンピック・世界陸上のメダリストを紹介します。

メダリスト

第17回世界陸上 2019 ドーハ大会

鈴木雄介(富士通)男子50kmW


鈴木雄介
Suzuki Yusuke
©フォート・キシモト

1988年1月2日生まれ
石川県出身能美郡辰口町(現能美市)出身
小松高(石川)→順大→富士通



2019年ドーハ世界選手権男子50km競歩で優勝し、日本競歩界で初めて五輪、世界選手権での金メダリストになった。男子20km競歩の元世界記録保持者でもあり、「世界一美しい歩形」と称賛された。

兄の影響で小学生の時に陸上クラブへ。石川県が「競歩王国」と称される土地柄もあり、辰口町立辰口中2年から競歩を始めた。3年時には3000m競歩12分42秒34、5000m競歩21分48秒49と、2つの中学最高記録を樹立するなど早くから頭角を現した。

小松高校に進学してめきめきと力をつけ、1年で全国高校総体男子5000m競歩2位。2年時に出場した世界ジュニア選手権10000m競歩で17位、アジアジュニア選手権では5位入賞を果たした。3年時には全国高校総体と国体の2冠、世界ユース選手権10000m競歩で銅メダルに輝いた。

順大でも記録を伸ばし、1年時にアジアと世界の2つのジュニア選手権で銅メダル。4年時には世界選手権ベルリン大会20km競歩日本代表に選ばれ、42位だった。

2010年、富士通に入社。実業団選手になってさらに実力を伸ばし、2011年の日本選手権男子20km競歩で初優勝、2013年には日本記録を更新する1時間19分02秒で2年ぶり2度目の優勝を果たした。日本選手権は翌年に連覇。さらに、同種目で毎年のように世界の舞台で戦い、2010年広州アジア大会5位入賞、2011年テグ世界選手権8位入賞、2012年ロンドン五輪36位、2013年モスクワ世界選手権12位、2014年仁川アジア大会銀メダルなど、数々の実績を積み重ねた。

2015年、世界選手権に先立つ3月の全日本競歩能美大会で、1時間16分36秒の世界新記録を打ち立てて優勝した。日本人選手が競歩の世界記録を樹立するのは男女通じて初めてで、五輪陸上実施種目で日本の男子選手が50年ぶりに作った世界記録という快挙。

世界ナンバーワンウォーカーとして臨んだ2015年北京世界選手権は、恥骨炎などの影響により、無念の途中棄権となった。

その後は長期間、治療やリハビリに取り組むことに。2016年リオデジャネイロ五輪もメダル有力候補として期待されたが、股関節痛などケガが響いて国内選考レースを欠場。2年9ヵ月間、公式試合への参加を見送り、2017年ロンドン世界選手権への出場はかなわず2大会連続での世界大会の日本代表入りはならなかった。

ケガを乗り越え、2019年3月の全日本競歩能美大会に臨んだが4位に終わり、20kmで世界選手権に届かなかった。4月の日本選手権に初めて50km競歩に挑み、3時間39分07秒の日本新記録で優勝。同年9月のドーハ世界選手権男子50km競歩では、深夜とはいえ高温多湿の過酷な条件の中、スタートからほぼ単独首位を守り通し、4時間4分20秒で五輪および世界選手権で日本競歩界初となる金メダルを獲得した。

世界選手権優勝により、2020年東京五輪(コロナ禍により2021年に延期)代表に内定していたが、ドーハ大会のダメージが大きく、コンディション不良のため代表を辞退。前回優勝者のワイルドカードを持っていた2022年オレゴン世界選手権も辞退した。

2024年7月、現役引退を発表。サトウ食品新潟アルビレックスランニングクラブに所属し、2025年4月から新潟食農大の陸上競技部でコーチを務めている。

記事提供:月刊陸上競技