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メダリスト

第18回世界陸上 2022 ユージーン大会

山西利和(愛知製鋼)男子20kmW


山西利和
Yamanishi Toshikazu
©フォート・キシモト

1996年2月15日生まれ
京都府出身長岡京市出身
堀川高(京都)→京大→愛知製鋼



男子20km競歩で2019年と2022年の世界選手権で金メダリストとなり、全種目を通じて日本人で初めて2連覇を果たした。1時間16分10秒の世界記録保持者。京大工学部出身で、頭脳派ウォーカーとして知られる。

長岡京市立長岡第三中では長距離選手。京都市立堀川高に進学後、競歩へ転向。3年だった2013年にインターハイ男子5000m競歩を制した。世界ユース選手権日本代表に選ばれ、男子10000m競歩で日本人選手同種目初の優勝を果たし、脚光を浴びるようになった。

京大でも学業と競技を両立。3、4年時には日本インカレで学生王者の称号を得た。4年時の2017年にはユニバーシアード男子20km競歩で頂点に立っている。

2018年、愛知製鋼へ入社。同年のジャカルタ・アジア大会男子20km競歩では、1時間22分10秒で銀メダルを獲得した。

2019年10月のドーハ世界選手権男子20km競歩では、酷暑多湿な厳しい気象条件の中、7km過ぎでペースを上げて独歩態勢に入り、そのまま逃げ切って1時間26分34秒で金メダルに輝いた。この種目で日本選手が表彰台に立つのは五輪と世界選手権を通じて初めて。

2020年の日本選手権は1時間17分36秒で初優勝を果たし、翌2021年は1時間17分20秒の大会新記録で2連覇。世界王者として迎えた同年8月の東京五輪では、先頭集団を形成して終盤にスパートしたが、優勝したマッシモ・スタノ(イタリア)と、2位になった池田向希(旭化成)を振り切れず、最後は離されて銅メダル。個人では不完全燃焼な結果に終わったが、同一種目で日本勢の複数メダルを獲得するのは85年ぶりの出来事だった。

2022年7月の世界選手権オレゴン大会では、序盤から先頭に立ってレースを動かし、巧みな駆け引きで王者の貫禄を示し、1時間19分07秒で世界選手権2連覇を達成した。世界陸上で日本人が連覇するのは、全種目を通じて初の快挙。2位には池田が入り、日本人ワン・ツーを飾った。

2023年世界選手権ブダペスト大会は苦戦し、1時間21分39秒で24位に沈んで3連覇を逃した。2024年パリ五輪の代表選考会を兼ねた2月の日本選手権は歩形が乱れて失格となり、2大会連続での五輪出場はかなわなかった。

復活を期した2025年2月の日本選手権は、後半にペースを上げてライバルを徐々にふるい落としていく。2015年に鈴木雄介が作った世界記録を26秒上回り、1時間16分10秒の世界新記録を樹立して4年ぶり3度目の頂点に立った。失意を乗り越えてつかんだ東京世界選手権の切符。9月の本番は、序盤から先頭集団を引っ張って主導権を握ったが、警告3枚で痛恨の2分間待機によって大きく順位を落とし、1時間22分39秒で28位だった。

2022年7月から世界陸上競技連盟のアスリート委員会委員を務め、任期満了となる2025年東京世界選手権までの3年間で退任した。日本人の同委員は2人目。

記事提供:月刊陸上競技