日本選手権の歴史
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第101回2017年
(平成29年)
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サニブラウンが14年ぶりスプリント2冠!市川も女子短距離2種目制覇 新たな100年への一歩、第101回日本選手権は6月23日~25日、大阪市のヤンマースタジアム長居で開催された。 8月のロンドン世界選手権の代表選考会を兼ねたこの大会で、最も注目を集めたのは男子100m。前年のリオ五輪男子4&tim...
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サニブラウンが14年ぶりスプリント2冠!市川も女子短距離2種目制覇
新たな100年への一歩、第101回日本選手権は6月23日~25日、大阪市のヤンマースタジアム長居で開催された。
8月のロンドン世界選手権の代表選考会を兼ねたこの大会で、最も注目を集めたのは男子100m。前年のリオ五輪男子4×100mリレーで銀メダルに輝いたメンバーと、新鋭たちの激突は、かつていないハイレベルなものとなった。そこで大きな輝きを放ったのが、サニブラウン・アブデル・ハキーム(東京陸協)。東京・城西高卒業前から、プロチームのトレーニングに参加してその才能に磨きをかけた18歳が、予選、準決勝と10秒06を連発すると、決勝は大会タイ、日本歴代5位の10秒05(+0.6)をマークして初優勝を飾った。さらに200mも日本歴代8位の20秒32(+0.3)で制し、2003年の末續慎吾以来14年ぶりの男子スプリント2冠に輝く。さらには男子MVPも受賞した。
2年前の北京世界選手権には男子200mで最年少出場を果たしてセミファイナリストになっているが、2大会連続の世界選手権は2種目で代表入り。「世界選手権は200mも準決勝があって、(予選、決勝だった)今回よりも1本増える。これで疲れたなんて言っていられません」と、サニブラウンはすぐに世界を見据えた。
第101回日本選手権 サニブラウンアブデルハキーム ©月刊陸上競技
100mはこの年、追い風参考ながら9秒台をマークするなどブレイクした多田修平(関学大)が2位に食い込み、前回覇者のケンブリッジ飛鳥(Nike)が3位に入ってともに代表入り。今季10秒0台を何度も出して絶好調だった桐生祥秀(東洋大)は4位、リオ五輪代表の山縣亮太(セイコー)は6位にとどまった。200mは藤光謙司(ゼンリン)が2位、前回優勝の飯塚翔太(ミズノ)は3位だった。女子のMVPは同じく100m、200m2冠に輝いた市川華菜(ミズノ)。100mは11秒52(+0.2)で、7連覇中の福島千里(札幌陸協)を0.06秒差で抑える殊勲。200mは日本歴代5位の23秒39(-0.2)で完勝し、いずれも初の日本選手権者に君臨した。
男子ハードルがハイレベルとなり、110mハードルは高山峻野(ゼンリン)が準決勝で日本歴代4位の13秒44(+0.5)、決勝も13秒45(-0.2)と好記録をそろえて2年ぶり栄冠。13秒61で大室秀樹(大塚製薬)が2位を占め、予選で日本歴代2位の13秒40(±0)をマークした増野元太(ヤマダ電機)は3位。そろって世界選手権代表入りを決めた。400mハードルは安部孝駿(デサントTC)が49秒32で初優勝し、2大会ぶりの代表入り。予選で自身初の48秒台(48秒94)突入を果たした。
女子5000mは日本郵政グループコンビがワン・ツー。鍋島莉奈が世界選手権参加標準記録(15分22秒00)を突破する15分19秒87で初優勝を飾り、チームの先輩である鈴木亜由子も15分20秒50をマークし、そろって代表入り。10000mは地元・大阪出身の松田瑞生(ダイハツ)が31分39秒41の自己新で初優勝を飾り、鈴木がこちらも2位を占めた。男子10000mは大迫傑(Nike ORPJT)が貫録の2連覇を飾った。
男子400mは北川貴理(順大)が予選で日本歴代10位の45秒48を出して勢いに乗り、決勝も45秒76で初優勝を飾った。男子棒高跳は山本聖途(トヨタ自動車)が5m60で4年ぶり3度目の栄冠。世界大会5連続の代表入りを決めた。
男子走幅跳ではサニブラウンと同じ東京出身の18歳、橋岡優輝(日大)が8m05(+1.4)の自己新で初制覇。父・利行さんは棒高跳で日本選手権を7度制し、母・直美さんも100mハードルで連覇、三段跳は3度の優勝を誇っており、“親子V”も達成した。
第101回日本選手権混成競技は6月10日~11日、長野県の長野市営競技場で行われ、男子十種競技はスズキ浜松ACのリオ五輪代表コンビ、右代啓祐、中村明彦が1位(7873点)、2位(7807点)を占めた。女子七種競技はヘンプヒル恵(中大)が日本歴代2位、学生新の5907点で3連覇を達成した。
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第102回2018年
(平成30年)
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金井が14年ぶり日本新、湯上は3連続の日本新スロー 第102回日本選手権は6月22日~24日、山口市の維新みらいふスタジアムで開催された。山口では初開催。秋にインドネシア・ジャカルタで実施されるアジア大会の代表選考会を兼ねた行われた。 いずれも最終日で男子2種目で日本新が誕生。110mハー...
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金井が14年ぶり日本新、湯上は3連続の日本新スロー
第102回日本選手権は6月22日~24日、山口市の維新みらいふスタジアムで開催された。山口では初開催。秋にインドネシア・ジャカルタで実施されるアジア大会の代表選考会を兼ねた行われた。
いずれも最終日で男子2種目で日本新が誕生。110mハードルでは社会人1年目の金井大旺(福井県スポーツ協会)が、日本記録を14年ぶりに0.03秒塗り替える13秒36(+0.1)をマークして初優勝を飾った。6月出した自己ベスト13秒52から、13秒4台を飛び越えて、一気に13秒3台へ突入した自分の走りに、「好タイムが出るのは確信していましたが、13秒3台は予想していませんでした。日本記録は13秒4台を出してから挑戦することになると思っていたくらいですから」と驚きを隠せなかった。金井は男子MVPにも輝く。
第102回日本選手権 金井大旺 ©月刊陸上競技
円盤投では湯上剛輝(トヨタ自動車)が5投連続の自己新、3投目の61m02から、62m03、62m16と3投連続で日本記録を塗り替える圧巻のシリーズで初優勝を飾り、「今日は60mを超えたら上出来だと思っていましたが、62mなんて信じられない気持ちです」。先天性の難聴を抱え、日常生活では補聴器を装着。昨年7月にはデフリンピックで銀メダルを獲得していた。
第102回日本選手権 湯上剛輝 ©月刊陸上競技
第102回日本選手権 湯上剛輝 ©月刊陸上競技
毎回注目を集める男子100mは山縣亮太(セイコー)が他を圧倒。大会タイの10秒05(+0.6)で5年ぶりの優勝を果たした。今回は不在だったサニブラウン・アブデル・ハキーム(フロリダ大)が昨年出した大会記録に並び、「現状のベストレース」と胸を張った。10秒14で2位のケンブリッジ飛鳥(Nike)が10秒14で2位を占め、ともにアジア大会代表に内定。前年9月に日本人初の9秒台(9秒98)を出した社会人ルーキー・桐生祥秀(日本生命)は10秒16で3位だった。
男子200mは飯塚翔太(ミズノ)がケガ明けながら、20秒34(+0.8)で2年ぶり3回目の優勝。男子400mのウォルシュ・ジュリアン(東洋大)も45秒97で2年ぶりに制した。
男子3000m障害は塩尻和也(順大)が8分29秒14の自己新で初制覇。同走幅跳は橋岡優輝(日大)が自己新の8m09(+1.2)で2連覇を達成し、同1500mは館澤享次(東海大)が2連覇と、学生の躍進が光る。
一方で、800mは川元奨(スズキ浜松AC)が1分48秒35で6連覇、砲丸投は畑瀨聡(群馬綜合ガードシステム)が18m36で7年連続12回目、やり投の新井涼平(スズキ浜松AC)は77m88で初Vからの連覇を「5」に伸ばすなど、実績のある選手も貫禄を示した。
女子やり投では斉藤真理菜(スズキ浜松AC)が大台スローの60m79で初制覇。同200mは福島千里(セイコー)が23秒65で2年ぶり8度目の栄冠を手にした。
女子5000mは鍋島莉奈(日本郵政グループ)、同10000mは松田瑞生(ダイハツ)がそれぞれ2連覇を達成。800mでは北村夢(エディオン)が2分02秒54で2年連続Vを果たした。
女子のMVPは、6m22(+0.2)で高校生ながら女子走幅跳で2連覇を飾った高良彩花(園田学園高3兵庫)が受賞。同円盤投の齋藤真希(鶴岡工高3山形)も51m42で高校生優勝を飾っている。 -
第103回2019年
(令和1年)
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サニブラウン、北口が世界水準示す!男子110mHが日本タイの名勝負 第103回日本選手権は6月27日~30日の4日間、福岡市の博多の森陸上競技場で行われた。福岡での開催は実に72年ぶりで、第82回(1998年)の熊本大会以来21年ぶりに九州で実施される日本一決定戦。直前の梅雨入りで連日雨模様の天気...
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サニブラウン、北口が世界水準示す!男子110mHが日本タイの名勝負
第103回日本選手権は6月27日~30日の4日間、福岡市の博多の森陸上競技場で行われた。福岡での開催は実に72年ぶりで、第82回(1998年)の熊本大会以来21年ぶりに九州で実施される日本一決定戦。直前の梅雨入りで連日雨模様の天気となったが、ドーハ世界選手権の代表選手選考会を兼ねて熱戦が繰り広げられた。
なかでも、雨を吹き飛ばすような熱狂を生み出したのが、男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(フロリダ大)。2年ぶりの100m、200m2冠と、男子MVPに輝き、観衆を魅了した。
前半に行われた100mは、6月7日の全米学生選手権決勝で9秒97の日本新記録を出したばかり。5月には9秒99も出しており、日本人で初めて複数回にわたる9秒台を記録するなど、そのスプリントは世界水準に達しつつあった。準決勝で早くも10秒05(+0.1)の大会タイ記録をマークすると、2日目午後8時半から行われた決勝は、10秒02(-0.3)の大会新で2年ぶりの優勝を飾った。だが、「(9秒台まで)あと0.03秒だったので、何とも言えないタイムですよね」とサニブラウン自身は苦笑い。予選、準決勝と出遅れ気味だったスタートはやや改善されたが、「これじゃ世界レベルで全然通用しません」と気を引き締めていた。
第103回日本選手権 サニブラウン・アブデル・ハキーム ©月刊陸上競技
3日目からは200m。予選を20秒84(-1.8)で悠々1着通過すると、最終日の決勝を20秒35(-1.3)で快勝。2年ぶりの2種目制覇を成し遂げた。「2年前はただ走っていただけで何も考えていなかった。今回は1本1本、ブロックに脚を入れる前にレースパターンをシュミレーションして、その通りにやりました。だから、しっかり走り切ったという達成感は大きいです」と胸を張った。
100mは2位が桐生祥秀(日本生命)、3位が小池祐貴(住友電工)、200mは2位が小池、3位が桐生と同学年コンビが占めた。
第103回日本選手権 男子100m決勝 ©月刊陸上競技
女子やり投でも日本の未来を担うホープが頂点に立つ。サニブラウンの1学年上の大学4年生、同じ日本陸連ダイヤモンドアスリート認定の北口榛花(日大)が、63m68の大会新をマークして初優勝。女子最優秀選手に選出された。春に64m36の日本新記録を樹立。ドーハ世界選手権参加標準記録(61m50)を突破済みで、この優勝で初のシニア世界大会代表を手中に収めた。
激しい雨の中で行われた男子110mハードルは高山峻野(ゼンリン)と泉谷駿介(順大)が13秒36(-0.6)の日本タイ・大会タイ。同記録着差ありで、高山が2年ぶり3回目の優勝を飾り、ともにドーハ世界選手権代表に決定。前回、13秒36の日本新記録で優勝した金井大旺(ミズノ/当時・福井県スポ協)は準決勝で不正スタートのため失格となっている。
第103回日本選手権 男子110mハードル決勝 ©月刊陸上競技
他のハードル種目もハイレベルとなり、男子400mハードル安部孝駿(ヤマダ電機)が48秒80で2年ぶり栄冠、2位の豊田将樹(法大)も自己新の49秒05をマークした。女子100mハードルは木村文子(エディオン)が13秒14(+0.6)で2年ぶりV。前回覇者の青木益未(七十七銀行)が日本歴代8位の13秒15で2位、寺田明日香(パソナグループ)が13秒16で3位と僅差で続いた。
男子走高跳は戸邉直人(JAL)が2m27で4年ぶり優勝。同走幅跳は橋岡優輝(日大)が7m98(-1.1)で3連覇を飾り、橋岡と同期の棒高跳・江島雅紀(日大)も5m61で初の日本一に輝く。
女子中距離では卜部蘭(NIKE TOKYO TC)が躍進。前回2位だった1500mを4分15秒79で制すると、800mは日本歴代8位の2分02秒74で制覇し、23年ぶりの中距離2冠に輝く。男子円盤投では堤雄司(群馬綜合ガードシステム)が日本歴代2位の61m64で2年ぶりの王座奪還。男子1500mは戸田雅稀(サンベルクス)が日本歴代9位の3分39秒44で3年ぶり頂点に立った。
若い世代の活躍も目立ち、男子800mではクレイ・アーロン竜波(相洋高3神奈川)が1分46秒59、女子3000m障害では吉村玲美(大東大)が9分50秒44と、ともにU20日本新で初優勝。女子100mでは御家瀬緑(北海道・恵庭北高)が29年ぶりの高校生優勝を果たした。男子3000m障害の予選では、三浦龍司(京都・洛南高)が8分39秒37の高校新記録をマークした。
第103回日本選手権 最優秀選手表彰 ©月刊陸上競技
第103回日本選手権混成競技は6月8日~9日、長野・長野市営競技場で行われ、右代啓祐(国士舘クラブ)が7847点で、女子七種競技は山﨑有紀(スズキ浜松AC)が5696点(追い風参考)でともに2連覇を達成した。
第103回日本選手権10000mは5月19日、大阪市のヤンマースタジアム長居でゴールデングランプリ大阪の競技終了後に行われ、女子10000mは鍋島莉奈、鈴木亜由子の日本郵政グループコンビがワン・ツー。鍋島が31分44秒02で、前回の5000mに続く日本選手権者に。鈴木も31分46秒25で3年連続の2位を占めた。3位は31分50秒43で新谷仁美(NIKE TOKYO TC)が入った。男子10000mは田村和希(住友電工)が28分13秒39で初優勝を果たした。 -
第104回2020年
(令和2年)
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コロナ禍の日本一決定戦、桐生らの熱走に沸く 第104回日本陸上競技選手権大会が10月1日~3日の3日間、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで5年ぶりに開催された。 本来であれば6月末に大阪市のヤンマースタジアム長居で東京五輪トライアルとして開催されるはずだったが、新型コロナウイル...
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コロナ禍の日本一決定戦、桐生らの熱走に沸く
第104回日本陸上競技選手権大会が10月1日~3日の3日間、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで5年ぶりに開催された。
本来であれば6月末に大阪市のヤンマースタジアム長居で東京五輪トライアルとして開催されるはずだったが、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大によって東京五輪自体が1年延期に。日本も4月から6月までの競技会が中止・延期に追い込まれた。そこから代替地として新潟開催が決定。7月に再開した競技会が軒並み無観客で行われる中、新潟県在住者に絞って1日2000人を上限に観客を入れて実施された。
今年は何の選考会も兼ねず、「日本一」だけを争う異例の大会。それでも選手たちはしっかりとこの大会に照準を合わせてきて、熱のこもったパフォーマンスを繰り広げた。
男女のスプリントハードルでは、そろって大会タイ記録が誕生。男子110mハードルは金井大旺(ミズノ)が自身の日本記録に並ぶ13秒36(-0.1)で2年ぶり優勝を飾った。前回は準決勝で不正スタートのため失格となり、ドーハ世界選手権代表入りを逃した。自身が不在だったレースで、高山峻野(ゼンリン)と泉谷駿介(順大)が2年前に金井が出した日本記録に並ぶ13秒36の「同タイム着差あり」という熱戦を演じている。その雪辱を果たし、「2年前は120%の力が出た限界の走り。今回はこれ以上いける感覚がある。まったく違う13秒36だと思います」と語り、胸を張った。
女子100mハードルは青木益未(七十七銀行)が日本歴代3位タイの13秒02(-0.1)で2年ぶり2回目の優勝を飾り、金井とともに今大会の最優秀選手賞を獲得した。
大熱戦で会場を盛り上げたのが男子100m。5位までの差がわずか0.07秒という大混戦となったレースは、桐生祥秀(日本生命)がケンブリッジ飛鳥(Nike)に100分の1秒差の10秒27(-0.2)で競り勝ち、6年ぶり2回目の優勝をもぎ取った。東洋大1年だった2014年以来の「日本最速」の座に就いた桐生は、「ずっと注目されている中で5年間も勝てなかった。勝ち切れて良かったです」と振り返った。
第104回日本選手権 男子100m決勝 ©月刊陸上競技
女子短距離も盛況で、100mは兒玉芽生(福岡大)が9月中旬の日本インカレで出した日本歴代3位の自己ベストに0.01秒と迫る11秒36(+0.5)で前年(200m)に続く優勝。200mは100m2位の鶴田玲美(南九州ファミリーマート)が日本歴代3位の23秒17(-0.1)で初優勝を飾った。
男子走高跳は真野友博(九電工)が2m30をクリアして初優勝。福岡大卒の社会人2年目が、9月の全日本実業団対抗選手権(2m31/日本歴代4位タイ)に続く大台ジャンプを見せた。男子やり投は新井涼平(スズキ浜松AC)が、同学年のディーン元気(ミズノ)との熱戦を6投目(81m57)の逆転で制し、7連覇を達成。ディーンは80m07で2位だった。女子やり投も佐藤友佳(ニコニコのり)と前回覇者・北口榛花(JAL)が接戦を展開し、6投目に59m32を放って北口を2cm上回り、初優勝を飾った。
第104回日本選手権 真野友博 ©月刊陸上競技
女子1500mは8月に4分05秒27の日本記録保持者となった田中希実(豊田自動織機TC)が、4分10秒21で初優勝。800mでも4位を占めた。同400mハードルはイブラヒム愛紗(札幌国際大)が日本歴代6位・学生歴代4位の56秒50で初制覇した。
シニアの日本新記録は生まれなかったが、女子円盤投で2年ぶり優勝の齋藤真希(東女体大)が自身の記録を更新する55m41のU20日本新、同ハンマー投の村上来花(弘前実高2青森)も自身の高校記録・U18日本記録を59m51まで更新して5位に入賞した。
男女5000m、10000m、3000m障害の第104回日本選手権は12月4日、大阪市のヤンマースタジアム長居で行われた。新型コロナウイルスの感染拡大で一時凍結されていた参加標準記録が12月から解禁になり、東京五輪の代表選考競技会を兼ねた今大会。このレースを含め、標準記録突破者が優勝すれば即代表に内定する条件下で、女子10000mではすでに突破していた新谷仁美(積水化学)が独走で30分20秒44と、従来の日本記録(30分48秒89/渋井陽子・三井住友海上、2002年)を28秒45も更新する激走で7年ぶり2度目の優勝を飾り、2大会ぶりの五輪代表に内定した。
第104回日本選手権 新谷仁美 ©月刊陸上競技
3位までが日本記録(27分29秒69/村山紘太・旭化成、2015年)を破った男子10000mでは、上位2人が27分28秒00の参加標準記録を初めて突破。相澤晃(旭化成)が27分18秒75で優勝し、同学年の伊藤達彦(Honda)が27分25秒73で2位を占めた。相澤が初の五輪代表に内定。3位の田村和希(住友電工)は27分28秒92と、標準記録にわずかに届かなかった。
第104回日本選手権 相澤晃 ©月刊陸上競技
また、標準記録突破者同士の争いとなった女子5000mは、田中希実(豊田自動織機TC)が廣中璃梨佳(日本郵政グループ)を退けて優勝(15分05秒65)を飾り、五輪代表に内定した。
男子5000mは坂東悠太(富士通)が日本歴代7位の13分18秒49で初制覇し、チームメイトの松枝博輝が13分24秒78で2位。3位の吉居大和(中大)は自身のU20日本記録(13分28秒31)を更新する13分25秒87をマークした。男子3000m障害は山口浩勢(愛三工業)が日本歴代5位の8分24秒19で初制覇。女子3000m障害は石澤ゆかり(エディオン)が日本歴代4位の9分48秒76と、各種目で好記録に沸いた。
第104回日本選手権混成競技は9月26日~27日、長野県の長野市営競技場で行われ、スズキ浜松AC勢が男女Vを達成。十種競技は中村明彦が7739点で3年ぶり王座奪還を果たし、七種競技は山﨑有紀が5799点で3連覇を達成した。 -
第105回2021年
(令和3年)
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白熱の東京五輪トライアル!泉谷が衝撃の13秒06、三浦が転倒乗り越え日本新V 第105回日本選手権は6月24日~27日、大阪市のヤンマースタジアム長居でU20日本選手権との併催で、東京五輪の最重要選考会を兼ねて開催された。 コロナ禍で1年延期になったこともあり、待ちに待った「東京五輪トライ...
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白熱の東京五輪トライアル!泉谷が衝撃の13秒06、三浦が転倒乗り越え日本新V
第105回日本選手権は6月24日~27日、大阪市のヤンマースタジアム長居でU20日本選手権との併催で、東京五輪の最重要選考会を兼ねて開催された。
コロナ禍で1年延期になったこともあり、待ちに待った「東京五輪トライアル」は、各種目で文字通り息詰まるほどの熱戦に。その中で選手たちは圧巻のパフォーマンスを披露した。
男子110mハードルでは泉谷駿介(順大)が夢の12秒台に肉薄する13秒06(+1.2)の日本新記録で初優勝を果たした。春に金井大旺(ミズノ)が出した13秒16の日本記録を、一気に0.1秒短縮する衝撃のタイムに、会場は騒然となる。泉谷自身も「13秒1台を目標にしていたけど、それを超えて13秒0台が出てビックリしています」とさすがに驚きを隠せない様子。だが、5月の関東インカレで追い風参考ながら13秒05(+5.2)を出しており、このレースでスピード感とインターバルをさばく感覚を得たことが、この激走へとつながっている。東京五輪代表に内定し、この時点で今季世界リスト3位という立場に。「もう一度13秒06ぐらいのタイムを出して、決勝でも食らいついていきたい」と五輪本番を見据えた。
日本選手権 男子110mハードル決勝 ©月刊陸上競技
男子3000m障害では同じ順大の三浦龍司が8分15秒99と5月に出したばかりの日本記録(8分17秒46)を再び更新。しかも、残り2周の水壕でバランスを崩して転倒するアクシデントをものともせず、初優勝と初の五輪代表内定もつかむ快走を見せた。東京五輪で「日本ではまだまだマイナーな種目。もっと認知してもらえるように、魅せる走りをしたい」と意気込みを語る。2位の山口浩勢(愛三工業)が8分19秒96、3位の青木涼真(Honda)が8分20秒70でそろって五輪参加標準記録(8分22秒00)を突破し、上位3人が五輪代表に内定した。
日本選手権 男子3000m障害 三浦龍司 ©月刊陸上競技
9秒台スプリンターが4人、10秒0台のベストを持つ選手たちも含めて史上最高レベルの選手が集った男子100mは、ピンと張りつめた緊張感の中でスタート。抜群のダッシュを決めた多田修平(住友電工)がそのまま逃げ切り、10秒15(+0.2)で初制覇と初の五輪代表の座をつかみ取った。10秒19で2位に食い込んだデーデー・ブルーノ(東海大)を挟み、10秒27で3位の山縣亮太(セイコー)と1000分の1秒差で4位だった小池祐貴(住友電工)が五輪代表に内定。前回王者の桐生祥秀(日本生命)は5位で個人の代表入りは逃し、2年前の覇者サニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)は6位となって200mのみの代表となった。小池は200mを20秒46(+1.0)で制し、100mも含めた日本選手権初優勝を飾った。
日本選手権 男子100m決勝 ©月刊陸上競技
男子走幅跳では橋岡優輝(富士通)が日本記録にあと4cmと迫る17年ぶり大会新の8m36(+0.6)をジャンプして2年ぶり優勝、初の五輪代表に内定した。女子やり投でも北口榛花(JAL)が61m49で2年ぶり2度目の優勝を飾り、初の五輪代表入り。女子100mハードルは寺田明日香(ジャパンクリエイト)が13秒09(±0)で11年ぶり優勝を飾り、男子走高跳は戸邉直人(JAL)が2m30で2年ぶりに制覇。男子400mハードルは20歳の黒川和樹(法大)が48秒69で初優勝を果たした。
女子5000mは廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が15分05秒69で制し、5月の10000mと合わせて2冠に輝く。田中希実は1500m連覇、5000mと800mで3位と3種目で果敢にチャレンジした。女子3000m障害は山中柚乃(愛媛銀行)が日本歴代2位の9分41秒84で初優勝を飾った。
女子100m、200mは兒玉芽生(福岡大)が快勝。100mは11秒62(-1.9)で2連覇、200mは23秒46(-1.0)で2年ぶり栄冠を手にした。男子棒高跳では竹川倖生(丸元産業)が日本歴代5位タイの5m70で初制覇した。
第105回日本選手権0000mは5月3日、静岡県袋井市のエコパスタジアムで開催された静岡国際終了後、同競技場で、東京五輪の代表選手選考会を兼ねて行われた。日中の強い風は午後7時開始の頃には止み、気温も下がって絶好のコンディション。男子は、昨年の日本選手権で参加標準記録(27分28秒00)を突破(27分25秒73/2位)していた伊藤達彦(Honda)が、田澤廉、鈴木芽吹の駒大コンビを突き放し、27分33秒38のセカンドベストで初優勝。本命視されていた静岡・浜松出身の23歳がきっちりと代表切符を手にし、5000人を上限に入場が許可された観客から大きな拍手が湧いた。2位の田澤は日本人学生歴代2位(学生歴代7位)の27分39秒21、3位の鈴木も同3位(同9位)の27分41秒68をマークした。
10000mレース2戦目の20歳・廣中璃梨佳(日本郵政グループ)と、マラソンで世界選手権代表経験のある安藤友香(ワコール)の一騎打ちになった女子は、残り3周でスパートした廣中が、標準記録(31分25秒00)を初めて突破する31分11秒75(日本歴代7位)で初優勝を飾り、東京五輪代表に内定。2位の安藤も最後まで粘って31分18秒18と標準記録を破り、代表入りを決めた。
第105回日本選手権混成競技は6月12日~13日、長野県の長野市営競技場で行われ、昨年に続いてスズキ・コンビが男女Vを達成。十種競技の中村明彦は7833点で2年連続4回目の王座に、七種競技の山﨑有紀はセカンドベスト、パフォーマンス日本歴代4位の5909点で4連覇を飾った。 -
第106回2022年
(令和4年)
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サニブラウンが3年ぶり日本最速に!走幅跳・橋岡、2冠の田中がMVP 第106回日本選手権は6月9日~12日、大阪市のヤンマースタジアム長居でオレゴン世界選手権の代表選考会を兼ね、U20日本選手権の併催で行われた。 男子100mはサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)が復活...
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サニブラウンが3年ぶり日本最速に!走幅跳・橋岡、2冠の田中がMVP
第106回日本選手権は6月9日~12日、大阪市のヤンマースタジアム長居でオレゴン世界選手権の代表選考会を兼ね、U20日本選手権の併催で行われた。
男子100mはサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)が復活。準決勝で10秒04(+0.8)と世界選手権参加標準記録(10秒05)を突破すると、決勝は10秒08(+1.1)で他を寄せ付けず、3年ぶり3回目の優勝を果たした。4大会連続の世界選手権代表入りを決めたサニブラウンは、「30mからは良かったけど、そこから作り上げていく時点ですでに違う。世界トップの人たちと走るには、前半で置いていかれたら話にならない」と世界との勝負に向けて課題を口にした。
日本選手権 サニブラウン・アブデル・ハキーム ©月刊陸上競技
10秒10で2位に坂井隆一郎(大阪ガス)、U20日本歴代3位の10秒16で3位に栁田大輝(東洋大)が食い込み、世代交代の足音が響き始める。
男子走幅跳は橋岡優輝(富士通)が世界選手権参加標準記録(8m22)をクリアする8m27(+1.4)で2年連続5回目の栄冠。2大会連続の代表に内定するとともに、初の大会MVPに選出された。
日本選手権 橋岡優輝 ©月刊陸上競技
女子のMVPは田中希実(豊田自動織機)が受賞。1500m4分11秒83、5000m15分05秒61で2冠に輝き、両種目で代表に内定した。5000mでは2大会連続、東京五輪で8位に入賞した1500mは初の世界選手権となる。田中と同じく東京五輪ファイナリスト(12位)となった女子やり投の北口榛花(JAL)は62m25で2年連続3度目の優勝を果たした。
男子ハードル陣が好調で、110mハードルは泉谷駿介が13秒21(-1.2)で2連覇を達成、2位には大学の後輩・村竹ラシッド(順大)が13秒31で続き、ともに世界選手権代表入り。400mハードルは黒川和樹(法大)が48秒89で、3000m障害は三浦龍司(順大)が自身が昨年作った大会記録(8分15秒99=当時日本新)を塗り替える8分14秒47で、ともに2連覇と初の世界選手権代表入りを決めた。
女子3000m障害は日本歴代2~5位が誕生するハイレベルとなり、山中柚乃(愛媛銀行)が9分38秒19の大会新で2連覇を達成。女子100mハードルは福部真子(日本建設工業)が13秒10(+0.8)で制し、5度目の入賞で悲願の初優勝を飾っている。
男子やり投はディーン元気(ミズノ)が81m02で2012年以来10年ぶり日本選手権者に復権した。女子400mでは松本奈菜子(東邦銀行)が53秒03で制し、静岡・浜松市立高3年時以来8年ぶりの女王の座奪回を果たした。
男子5000mは遠藤日向(住友電工)が13分22秒13で2連覇を達成。同走高跳は真野友博(九電工)が2m30で2年ぶりに制し、同棒高跳は江島雅紀(富士通)が5m60で3年ぶり優勝を飾った。女子三段跳は森本麻里子(内田建設AC)が13m58(±0)の自己新で4連覇を成し遂げている。
女子短距離は、100mは君嶋愛梨沙(土木管理総合)が日本歴代4位タイの11秒36(+0.6)で初制覇し、200mは兒玉芽生(ミズノ)が23秒34(+2.6)で2連覇を飾った。
女子投てきでは郡菜々佳(新潟アルビレックスRC)が47年ぶりの砲丸投、円盤投の2冠を獲得。砲丸投は15m57、円盤投は58m70でそれぞれ制した。男子ハンマー投は柏村亮太(ヤマダホールディングス)が日本歴代4位の72m77で2年ぶり4回目の王座に就いた。
第106回日本選手権10000mは5月7日、東京・国立競技場で行われ、女子は廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が31分30秒34で2連覇を達成。初の世界選手権代表に内定した。男子は相澤晃(旭化成)が27分42秒85で2年ぶりに制し、ただ1人オレゴン世界選手権参加標準記録(27分28秒00)を突破していた田澤廉(駒大)は10位にとどまった。
第106回日本選手権混成競技は6月4日~5日、秋田県営競技場で行われ、男子十種競技は奥田啓祐(第一学院高教)が7626点で初優勝、女子七種競技は両膝の手術を乗り越えたヘンプヒル恵(アトレ)が5872点で5年ぶり優勝を果たした。 -
第107回2023年
(令和5年)
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泉谷が世界見据える13秒04!森本が女子三段跳24年ぶり日本新 第107回日本選手権は6月1日~4日、大阪市のヤンマースタジアム長居でU20日本選手権との併催で行われた。ブダペスト世界選手権(8月19日~27日)、アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)、アジア大会(9月29日~10月5日...
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泉谷が世界見据える13秒04!森本が女子三段跳24年ぶり日本新
第107回日本選手権は6月1日~4日、大阪市のヤンマースタジアム長居でU20日本選手権との併催で行われた。ブダペスト世界選手権(8月19日~27日)、アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)、アジア大会(9月29日~10月5日/中国・杭州)の代表選考を兼ねたこの大会は、2日目に大雨警報が発令されて一部種目が中断・延期になるアクシデントに見舞われたが、日本一と国際大会代表の座を懸けた争いはヒートアップした。
圧巻のパフォーマンスを見せたのが男子110mハードルの泉谷駿介(住友電工)。2年前に自身が作った日本記録・大会記録を0.02秒短縮する13秒04(-0.9)で3連覇を達成した。2年前と同じ舞台で、向かい風0.9mの条件。その中で今季世界リスト2位に入る大記録に、泉谷は「12秒台を出したかった気持ちもありますが、向かい風ならいいかな、と。自信になります」と力強くうなずく。21年の東京五輪、22年のオレゴン世界選手権は、いずれもセミファイナルに進出したが、日本人初の決勝の舞台にはあと一歩届いていない。5月のセイコーゴールデングランプリでも13秒07(+0.8)と13秒0台を複数回出しており、日本人初の12秒台、世界のファイナルで戦うという目標へ。機は熟しつつある。
日本選手権 男子110mハードル決勝 ©月刊陸上競技
日本選手権 泉谷駿介 ©月刊陸上競技
2位には13秒30で高山峻野(ゼンリン)が入り、2大会ぶり3度目の代表入り。3位は13秒51で横地大雅(Team SPP)が入った。
女子三段跳では歴史的日本新が誕生。森本麻里子(内田建設AC)が5回目に14m16(+0.7)をマークし、花岡麻帆が1999年に作った日本唯一の14mジャンプである14m04の日本記録を24年ぶりに更新。地元・大阪での快挙に「中学、高校時代にお世話になった先生方の前で日本記録を出すことができて、素直にうれしい」と喜びを語った。2位の髙島真織子(九電工)も日本歴代3位の13m82(+1.3)をジャプしたが、目の前で大台ジャンプを跳ばれたことで、「悔しいほうが大きい」と涙がこぼれた。大会MVPには日本記録を樹立した泉谷と森本が選出されている。
日本選手権 女子三段跳 森本麻里子 ©月刊陸上競技
男子100mも地元・大阪出身のスプリンターが躍動。坂井隆一郎(大阪ガス)が直前に発症したアキレス腱痛を乗り越え、10秒11(-0.2)で初優勝を飾って万感のガッツポーズを見せた。19歳の栁田大輝(東洋大)が自己タイの10秒13で2位、小池祐貴(住友電工)が10秒18で3位に入り、前年のオレゴン世界選手権で日本人初のファイナリスト(7位)となったサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)は脚がケイレンした影響で7位にとどまった。
女子100mハードルも名勝負。日本選手権史上初めての12秒台で決着したレースは、上位4人が13秒を突破する大激戦となり、寺田明日香(ジャパンクリエイト)が12秒95(-1.2)で2年ぶりの優勝。同タイム着差ありで青木益未(七十七銀行)が2位に続き、3位の田中佑美(富士通)が12秒96、4位の福部真子(日本建設工業)が12秒99をマークした。
男子3000m障害では三浦龍司(順大)が8分21秒41で3連覇を飾り、2大会連続の代表入りを決めた。田中希実(New Balance)は史上初となる2年連続の女子1500m&5000m2冠。1500mは4分08秒29、5000mは15分10秒63をマークした。女子やり投では斉藤真理菜(スズキ)が61m14で5年ぶり2度目の栄冠。前年のオレゴン世界選手権銅メダルの北口榛花(JAL)は59m92で2位だった。男子やり投はディーン元気(ミズノ)が82m65で2連覇を飾った。
男子走幅跳は8m40の日本記録保持者・城山正太郎(ゼンリン)が8m11(+2.1)で初優勝を飾り、2連覇中の橋岡優輝(富士通)を5cm差で抑えた。男子走高跳は赤松諒一(アワーズ)が2m29で初制覇した。男子400mは中島佑気ジョセフ(東洋大)が日本歴代5位の45秒15で初の日本一に輝く。
男子200mは大学3年生の鵜澤飛羽(筑波大)が20秒32(-0.2)で初優勝。君嶋愛梨沙(土木管理総合)が100mは11秒59(-0.1)、200mは日本歴代3位の23秒17(±0)で制して2冠を達成した。
男子円盤投は堤雄司(ALSOK群馬)が57m98で5連覇を達成、節目となる10回目の優勝を飾った。女子400mハードルは山本亜美(立命大)が56秒06で3年連続自己新Vを成し遂げた。
第107回日本選手権10000mは12月10日、東京・国立競技場でパリ五輪代表選考会を兼ねて行われた。好記録を狙いやすくするために、春から12月にスライド。日本選手権では初めて電子ペーサーも導入された。
男子は塩尻和也(富士通)が27分09秒80の日本新記録で制し、この種目初優勝。6月の5000mと合わせて2冠を獲得した。2位の太田智樹(トヨタ自動車)は27分12秒53、3位の相澤晃(旭化成)は27分13秒04、4位の田澤廉(トヨタ自動車)は27分22秒31でフィニッシュし、日本歴代1~4位が塗り替えられる高速レースとなったが、パリ五輪参加標準記録(27分00秒00)には届かなかった。
女子は廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が30分55秒29で3連覇を達成。2位の高島由香(資生堂)が30分57秒26、3位の小海遥(第一生命グループ)が30分57秒67、4位の五島莉乃(資生堂)が30分58秒83と日本歴代6~8位の好タイムが並んだ。
第107回日本選手権混成競技は6月10日~11日に秋田県営競技場で行われ、男子十種競技は丸山優真(住友電工)が7816点で初優勝、女子七種競技は山﨑有紀(スズキ)が5810点で2年ぶりV奪回を果たした。 -
第108回2024年
(令和6年)
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豊田兼が史上3人目の47秒台!村竹&田中がMVP 第108回日本選手権は、新潟市のデンカビッグスワンスタジアム新潟で、パリ五輪代表選考会を兼ねて行われた。コロナ禍の影響で開催地変更を受けた2020年以来、4年ぶりの舞台。今大会を含む参加標準記録突破者で優勝した選手がパリ五輪代表に即時内...
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豊田兼が史上3人目の47秒台!村竹&田中がMVP
第108回日本選手権は、新潟市のデンカビッグスワンスタジアム新潟で、パリ五輪代表選考会を兼ねて行われた。コロナ禍の影響で開催地変更を受けた2020年以来、4年ぶりの舞台。今大会を含む参加標準記録突破者で優勝した選手がパリ五輪代表に即時内定する。
男子400mハードルでは、豊田兼(慶大)が日本人3人目の47秒台となる47秒99の大会新記録で初優勝を飾った。すでに五輪参加標準記録(48秒70)を突破していた豊田は、これで初の五輪代表に即時内定。「決勝は前半からスピードを出して、あとは一か八かで勝負をするという勢いで突っ込んだ。そういったことで大きく自己ベストを更新できたのかなと思う」と振り返った。
第108回日本選手権 豊田兼 ©月刊陸上競技
男子110mハードルは村竹ラシッド(JAL)が13秒07(+0.2)の好記録で制し、こちらもパリ五輪代表に即時内定。東京五輪代表を懸けた3年前の日本選手権では、準決勝で参加標準記録と突破しながら決勝で不正スタートにより失格。その悔しさを糧に成長を遂げ、「この日のためにずっとトレーニングしてきた」と胸を張る。念願の五輪代表もつかみ取り、男子MVPにも選出された。
女子のMVPは3年連続の1500m、5000m2冠を成し遂げた田中希実(New Balance)が獲得。1500mは4分01秒44の大会新で5連覇を達成し、5000mは15分23秒72で3連覇。大会前に5000mの代表内定は得ていたが、1500mでも標準記録(4分02秒50)突破を果たし、2種目で2大会連続の五輪代表内定を得た。800mにも参戦し、7位に入っている。
女子100mハードルは福部真子(日本建設工業)が12秒86(-0.2)が2年ぶり2度目の優勝。準決勝でパリ五輪参加標準記録(12秒77)を突破、自身の日本記録にあと0.02秒と迫るパフォーマンス日本歴代2位の12秒75(+0.8)を出しており、五輪代表に即時内定した。
このほか、男子走幅跳の橋岡優輝(富士通)が7m95(+2.4)で2年ぶり6回目の優勝を飾り、2大会連続の五輪代表に内定した。、女子走幅跳で秦澄美鈴(住友電工)が6m56(+1.4)で4連覇を達成し、初めての五輪切符を獲得した。
すでに代表内定を得ている選手は今大会を回避する傾向にあったが、女子やり投の北口榛花(JAL)は参戦。前年のブダペスト世界選手権金メダリストとして、62m87で2年ぶりの優勝を果たした。
上位3人が0.01秒差にひしめく大接戦となった男子100mは、スタートで飛び出した坂井隆一郎(大阪ガス)が10秒13(-0.2)で2連覇を達成した。10秒14の同タイムで東田旺洋(関彰商事)、栁田大輝(東洋大)が2、3位に続いた。
坂井は「スタートはうまくいったが、後半力んでしまった。もっと伸びやかに走りたかったが、70~80m付近で周りが迫ってきたのを感じて硬くなってしまった。フィニッシュした時には、自分が勝ったかどうかはわからなかった」とコメントした。この種目の連覇は12年ぶり。
第108回日本選手権 坂井隆一郎 ©月刊陸上競技
男子短距離では200mでも鵜澤飛羽(筑波大)が20秒43(+0.2)、400mでも中島佑気ジョセフ(富士通)が45秒51でそれぞれ制し、2連覇を達成した。女子短距離では君嶋愛梨沙(土木管理総合)が2年連続100m、200m2冠を達成。100mは11秒46(-0.5)で3連覇、200mは日本歴代3位タイの23秒16(+0.8)で快勝した。
男女の800mでは高校生が躍動。男子は落合晃(滋賀学園高3)がスタート直後から先頭に立つと、シニア選手の追随を許さず1分46秒56で初優勝。予選ではU20日本新、高校新、大会新の1分45秒82をマークした。女子でも久保凛(東大阪大敬愛高2)が、自らが持つU18日本記録を更新する2分03秒13で初制覇した。
男子走高跳は赤松諒一(SEIBU PRINCE)が2m25で優勝、同記録をクリアした衛藤昂(KDL)は無効試技数の差で2位となった。男子円盤投では日本記録保持者の堤雄司(ALSOK群馬)が60m12で6連覇を達成し、優勝回数を同種目最多タイの「11」に伸ばした。女子三段跳では森本麻里子(オリコ)が13m64(+0.2)で6連覇を達成した。女子走高跳では高橋渚(センコー)が1m87で3連覇を飾った。
男子5000mは伊藤達彦(Honda)が日本歴代7位、大会新の13分13秒56で、この種目初制覇。21年の10000m以来2度目の日本選手権者に。男子1500mは飯澤千翔(住友電工)が3分37秒08の大会新記録で快勝した。
地元・新潟勢では、ともにサトウ食品新潟アルビレックスRC所属の中川達斗が男子ハンマー投で優勝、郡菜々佳が女子砲丸投・円盤投の2種目で優勝して会場を沸かせた。
第108回日本選手権10000mは5月3日に静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアムで行われ、男子は葛西潤(旭化成)が日本歴代4位の27分17秒46で初優勝。27分20秒94で太田智樹(トヨタ自動車)が2年連続2位となり、3位に食い込んだ前田和摩(東農大)はU20日本新の27分21秒52をマークした。女子は五島莉乃(資生堂)が日本歴代6位の30分53秒31で初制覇した。
第108回日本選手権混成競技は6月22日~23日に岐阜・長良川メモリアルセンター長良川競技場でそれぞれ行われ、男子十種競技は丸山優真(住友電工)が7870点で2連覇、女子七種競技は熱田心(岡山陸協)が日本歴代5位の5750点で初優勝を果たした。 -
第109回2025年
(令和7年)
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﨑山が87m16の快投!久保凛が2度目の1分台突入 第109回日本選手権は7月4日~6日の3日間、東京・国立競技場で開催された。国立での日本選手権は2015年以来20年ぶりで、新装されてからは初。近年併催されていたU20日本選手権は9月末に静岡・草薙での開催となり、9月に控える東京世界選手権の...
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﨑山が87m16の快投!久保凛が2度目の1分台突入
第109回日本選手権は7月4日~6日の3日間、東京・国立競技場で開催された。国立での日本選手権は2015年以来20年ぶりで、新装されてからは初。近年併催されていたU20日本選手権は9月末に静岡・草薙での開催となり、9月に控える東京世界選手権の代表選考会を兼ねて熱戦が繰り広げられた。
また、暑熱対策として、日本陸連はWBGTによる競技実施判断の目安を示している。WBGT31度以上では、「日本スポーツ協会の熱中症予防運動指針、WBGTが31度以上の場合は『運動は原則中止』に基づき、WBGTが31度以上となった場合には、原則として中止・中断または延期とする」としており、今大会もそれに即した対応を実施。フィールド種目を中心に、タイムテーブルが変更された。
この暑熱対策の影響で競技開始時間が大きく変更された男子やり投で、ビッグアーチが生まれる。競技途中から雨が降り出すコンディションにも負けず、﨑山雄太(愛媛競技力本部)が5投目に日本歴代2位、大会新の87m16を放って初優勝。世界選手権の参加標準記録(85m50)も大きく突破して代表に即時内定した。「ずっと周囲の人が88mをいつでも投げられると言ってくれていたので、それに近い記録を出せて一安心です」と笑顔が弾けた。﨑山は男子最優秀選手に選出されている。2位のディーン元気(ミズノ)も13年ぶり自己新となる84m66をマークした。
第109回日本選手権 﨑山雄太 ©月刊陸上競技
今大会唯一の日本新は女子800mで誕生。高校3年生の久保凛(東大阪大敬愛高)が、前年7月に出した日本人初の1分台である1分59秒93の日本記録を更新する1分59秒52を叩き出し、2連覇を成し遂げた。序盤から先頭に立ち、400mを58秒台で通過。その後はバックストレートで同じアジア選手権代表の塩見綾乃(岩谷産業)を突き放し、最後まで力強く走り抜いた。1分台を出してからは、「いざ試合となると、標準記録や連覇を考えてしまって緊張もありました」と苦しさを吐露する。それでも今回、現地まで応援に駆けつけた家族に背中を押され、世界選手権と同じ会場で「レースを楽しむことができました」と笑顔で振り返った。
第109回日本選手権 久保凛 ©月刊陸上競技
東京世界選手権代表争いで最激戦区となった男子110mハードル。パリ五輪5位の村竹ラシッド(JAL)が、4月に参加標準記録(13秒27)を突破したことですでに代表に内定。残る2枠を懸けて泉谷駿介(住友電工)、野本周成(愛媛競技力向上)、阿部竜希(順大)の標準突破者を中心に激戦が予想された。そして、決勝はこの3人が上位を占め、泉谷が13秒21(+0.8)で2年ぶり4回目の優勝を果たし、4大会連続の代表に内定。野本も13秒23の2位に食い込み、初の世界選手権代表入りを決めた。阿部は13秒32の3位で、惜しくも涙をのんだ。
田中希実(New Balance)が初日の女子5000mを大会新記録の14分59秒02で制し、4年連続5回目の優勝。最終日の1500mも4分04秒16で6連覇を飾り、4年連続2冠を達成するとともに、2種目で代表に即時内定した。男子200mでは鵜澤飛羽(JAL)が日本歴代4位の自己記録に並ぶ20秒12(±0)で3連覇を達成。田中は2大会連続の代表にも内定し、2年連続の女子MVPも受賞した。
日本最速を決める男子100mは予選で栁田大輝(東洋大)が不正スタートのため失格、世界選手権2大会連続ファイナリストのサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)がケガを抱えた影響で予選敗退と波乱含みの展開に。その中で、存在感を示したのが29歳の桐生祥秀(日本生命)。混戦から終盤に抜け出し、10秒23(+0.4)で5年ぶり3回目の優勝を遂げた。
今大会のトラック最終種目に組み込まれた女子100mハードルも大熱戦となり、田中佑美(富士通)が12秒86(-0.4)で大会初優勝を飾った。同タイム着差ありで2位に中島ひとみ(長谷川体育施設)が続き、準決勝で12秒75(±0)の大会タイ記録をマークしていた福部真子(日本建設工業)は12秒93で3位だった。
女子スプリントでは社会人2年目の24歳、井戸アビゲイル風果(東邦銀行)が躍動。100mは予選で日本歴代4位の11秒35(+0.5)をマークすると、決勝も11秒45(-0.1)で初制覇。200mも日本歴代5位の23秒18(+0.2)で初制覇し、2冠を達成した。
男子ハンマー投は福田翔大(住友電工)が日本歴代3位の74m57を投げて優勝。2年ぶり3回目の日本一に輝くとともに、9月に開催される東京世界選手権の開催国枠エントリー設定記録(73m88)も突破した。男子棒高跳の江島雅紀(富士通)もエントリー設定記録(5m59)を上回り、自己新の5m70に成功して3年ぶり3回目の優勝。男子三段跳では16年リオ五輪代表の山下航平(ANA)がエントリー設定記録にピタリ到達する16m67(+0.4)をジャンプし、6年ぶり3回目の復活Vを飾った。
女子三段跳は2回目にトップに立った髙島真織子(九電工)が最終6回目に13m92(+0.2)まで記録を伸ばして初優勝。男子800mは落合晃(駒大)が1分45秒93で2連覇を飾った。
女子棒高跳では小林美月(日体大)が自己記録を16cmも更新する日本学生新の4m31で初優勝している。
第109回日本選手権10000mは4月12日、熊本市のえがお健康スタジアムで東京世界選手権とアジア選手権の代表選考会を兼ねて行われ、男子は鈴木芽吹(トヨタ自動車)が27分28秒82で初優勝、女子は廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が31分13秒78で2年ぶり4度目の栄冠を手にした。
第109回日本選手権混成競技は7月12日~13日、岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われ、女子七種競技は田中友梨(スズキ)が日本歴代5位の5782点で初優勝を飾った。男子十種競技も右代啓欣(エントリー)が7488点の自己新で初制覇。兄・啓祐との“兄弟V”も成し遂げた。
記事提供:月刊陸上競技


